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■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編2-36 リーダーシップを発揮するために信頼性を高める

2023-04-14 09:47:21 | 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<管理編>

■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編2-36 リーダーシップを発揮するために信頼性を高める

 多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。

 世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。

 ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。

 管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。

 ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。

 エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。

 「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。

 では、「あたり前」とは、なんでしょうか?

 「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。

 あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。

 1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。

メモ

■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方

 本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。

 筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。

 管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。

 「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。

 難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。

 管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。

 管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。

  温かい管理とは  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f

 ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。

 知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。

 

■ 第2部2章 プロ管理職のリーダーシップ 

 私達は、ひとりでは生きていくことはできません。社会や組織に所属して、他の人と共に力をあわせることが、近道といえます。そこに求められるのが、「リーダーシップ」です。

 管理職だけではなく、ビジネスパーソンにはリーダーシップを取れることが、成功への近道であり、自己実現には不可欠といっても過言ではありません。では、ビジネス界におけるリーダーシップとはどのようなものなのでしょうか。原点に戻って、再度考え、新たな気持ちでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

■ 2-36 リーダーシップを発揮するために信頼性を高める


 リーダーシップを発揮するには、どうすべきか、「あたり前」のことを記述してきました。部下からの信頼関係を得られるようなリーダーになるためには、信頼されるに相応しいリーダーでなければなりません。


◇ 信頼関係醸成のスタート

 リーダーシップは、メンバーからの信頼関係がなければ活かされないという側面を持っています。その反面、リーダーシップを充分に発揮できますと、メンバーからの信頼関係が深まります。

 メンバーからの信頼が得られれば、リーダーに対する尊敬の念も高まり、リーダーについてきてくれるようになります。

 鶏と卵の関係のようですが、まずは、リーダーが、リーダーシップを発揮したマネジメント、すなわち「温かい管理」を通して、信頼関係を高めることから始めることです。

 それに加えて、リーダーは部下やメンバーをまず、信頼して行くことです。

 リーダーシップを発揮するために管理会計的発想から、部下やメンバーの進捗状況を確認しますが、その際に、細かい部分まで指示を出したり、口を挟みすぎたりしないことです。

 いうまでもなく、くどく指示が出されたり、繰り返し進捗状況を尋ねたりしますと、相手は、「自分は信頼されていないのだ」という思いを持つでしょう。「自分は、それなりの経験があるのだから、もっと信頼して、任せてくれてもよいのでは・・・」という思いをすることもあり、逆に、彼等からリーダーへの信頼感も薄らいでしまいます。

 相手を信頼して、一任するといいましても、相手次第のところもありますので、人により、対応を変える必要もあります。

 たとえば、経験の浅い部下やメンバーであれば、作業・業務の具体的なやり方まで、手を取るようにして指導していかなければならないでしょう。私事になりますが、私は「お節介焼き経営コンサルタント」といわれるほど、困っている人を放置できません。そのためにやり過ぎてしまうという欠点を持っています。

 経験もあり、業績も上がっている部下やメンバーであれば、最小限の確認や指示で充分です。いうまでもなく、放任しておくということではありません。リーダーとしてのスキルや資質は常に磨き上げ、それを駆使していかなければならないのです。

 任せることにより、彼等が失敗する可能性も高いです。失敗したときに、その相手を叱責したり、責任をとらせるような言動をとったりすべきでないことはいうまでもありません。

 再発を防ぐために、じっくりと話し合いながら、対応策を講じ、再発防止策を実施して行きます。経験の浅い人であれば励ますことも必要でしょう。「失敗は気づきの契機」ですし、再発防止の教科書でもあります。

 一方、組織全体に関わるような大きな問題の場合には、会議や研修会のテーマとして取り上げ、部門全体で取り組みます。


◇ 公平性

 特定の部下を贔屓したり、特別待遇をしたりすることは公平性の原則に反することは、だれもがわかっていることです。しかし、現実には、それが横行している企業があります。

 「同一労働、同一賃金」ということが、さかんに叫ばれたことがあります。もし、言葉通りですと、新人もベテランも、同じ仕事をするのであれば、同じ賃金が支払われると言うことになってしまいます。

 一見しますと、公平な考え方のように見えますが、能力というのは人により異なり、同じ時間長で処理できる作業量にもバラツキがあります。質におきましても差が出てきます。

 「公平」という言葉の持つ意味に難しさがありますが、一見すると公平であるような考えを頭ごなしで信じ込まず、常にクリティカル・シンキング的発想で注意を払う必要があります。俯瞰的な見方をし、全体最適思考を考慮しますと、公平性のあり方に対する理解も深まります。


◇ 責任感

 恒常的に約束を守れない人は信頼できません。その様な人は、リーダーとして相応しくないことはいうまでもありません。

 組織には「三面等価の原則」というのがあります。リーダーや管理職には、一定の権限が与えられます。それは、一方的な権利と誤解してはなりません。任務という責任を果たすのに相応しい、すなわち権利と権限は「等価」なのです。これが、俗に言われます「権限と責任」の関係なのです。

 権限や責任と同じレベルの重要性を持つのが「結果責任」です。権限と責任を行使するだけでは、リーダー・管理職の役割を果たしたといえません。権限・責任・結果責任が正三角形の関係であることを充分に認識しなければならないのです。

 リーダー・管理職の役割として、結果を出すことが求められています。それを行使して、仕事をやりやすくするためにリーダーシップがあるのですから、部下やメンバーだけではなく、上司や関係者、そして自分自身に対してもリーダーシップを発揮する必要があるのです。


◇ リーダーシップを発揮する仕組み

 これまで、リーダーシップを、人間としての資質や能力・スキルを中心にお話してきました。それを全て身に付けることも至難の業ですが、それが身についているとしても、なかなかリーダーシップを充分に発揮し、結果としてだすことは、われわれ凡人には難しいことです。

 リーダーシップやマネジメントを効率よく行える「仕組み」がありますと、既述のことだけではやりきれないことを支援してくれます。これを「管理のための設備」と呼んでいます。

 たとえば、営業パーソンに対してリーダーシップを発揮し、マネジメントをしていくのに「営業日報」は不可欠でしょう。その日報も、温かい管理ができる形式に変更しますと、日報というツールが「管理のための設備」に格上げされるのです。

 手前味噌になりますが、管理のための設備につきましては、弊著「温かい管理のための管理会計の教科書(秀和システム刊)」に具体的な事例を付けて紹介していますので、そちらをご参照くださると幸いです。

<続く>

 

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