■【若狹の生意気言ってすみません!】 最近の就職活動で感じることから「当たり前経営」まで
日本で最初にできた経営コンサルタント団体である「日本経営士協会」は、戦後復興期に当時の通商産業省(現在の経済産業省)や産業界の勧奨を受け、日本公認会計士協会と母体を同じくして誕生しました。
「専門業の異業種交流会」の異名を持つ、この団体ですので、いろいろな分野の専門家が集まる組織です。
この度、同協会の会員で経営士であり、行政書士としてもご活躍の若狭晃司先生にもご執筆をお願いできることになりました。令和7年1月より、毎月第二火曜日正午の発信で皆様のところにお届けします。
■ ご挨拶 <若狹の生意気言ってすみません!>
特定非営利活動法人「日本経営士協会」首都圏支部の経営士 若狹晃司です。
今回より、経営士のブログに私の経営士として日常考えたこと、感じていることをラフなスタイルで掲載させて頂きます。「生意気なヤツ!」と言われるのを覚悟で出来る限り本音のお話をしたいと思います(コーナー名も「若狹の生意気言ってすみません!」としました)。
■ 【若狹の生意気言ってすみません!】 No.1
~~~ 最近の就職活動で感じることから「当たり前経営」まで ~~~
37年前の私の就職活動の話です。バブル直前期で好景気に沸き、売り手市場の良い時期でした。内定が決まると「拘束」という名の接待があり、食事会・飲み会・映画鑑賞・テーマパークなど内定者にとっては大学4年生の暇な時期も相まって楽しいひと時を経験しました。
私の就職時代から数年後のバブル崩壊以降、訪問解禁一斉面接や先輩を個別訪問するというやり方が大幅に変わり、エントリーシートで応募することが原則となり、近年大手企業ではインターシップ制が導入されるようになっており、就職に関する活動期間も大学3年生の夏前後から4年生秋頃まで大幅に長期化している模様です。
人口減少かつ若者の人口減・人手不足の深刻化も相まって、転職紹介会社やサイトが数多く作られ、大学生の意識も「可能な限り終身雇用を志向する」から「転職が当り前」という意識に変わったと思います。また、大手の会社に就職できると「オレたちは勝ち組だ」と勘違いされる方も散見されると感じます。
社内のパワハラ等が問題となる一方で、「社員をキッチリ育成すること」と「パワハラと評価されること」とを管理する側が混同し、社員教育・管理がユルユルとなり、反って若手社員に「これで自分は職業人として成長できるのだろうか?」という不安を助長し、転職を誘発しているケースもあると聞いています。
大手企業ですら即戦力の求人転職広告を大量に打っており、これは「社員教育は会社が行うのではなく自己責任で自分がやるもの」という風潮を招いている気がします。
コンサルタントや評論家が、「これからは人的資本経営が重要だ!」と言いながら、本当の意味での組織に必要な人材の育成が上記の状況の中、着実に出来ているとは到底思えません。そればかりか、経営トップすら経営の品質が劣化している恐れがあるかもしれないと個人的な感想です。
「経営(マネジメント)」に万能薬も絶対解もございません。
翻って、経営コンサルタントも流行手法・流行語に踊らされ、いかに目立つか・いかに自分が際立つかに囚われている様な気がします。
毎日が「経営」であり、現場も毎日稼働しており、全ての従業員が働いている現実があり、足元をしっかり地面に着けたものの見方は失ってはならないと自分も含めて心を払うべきだと感じます。
毎日が「経営」とは、当たり前のことが出来る「経営」という意味に繋がり、「当たり前のことが当たり前に出来ているか?」と自問自答することにも繋がります。当たり前経営が実は奥が深いということです。今こそ見直すべきかと。
長文になり恐縮です。
新年が新しい良い年になるよう祈念致して、第1回を終了します。
★生意気言ってすみません!!!★(第1回)
次回は、「知的資産経営について考える」を予定しています。
【経営士 若狹晃司先生 プロフィール】
メガバンク21年勤務(個人富裕層担当・新規開拓班)後、行政書士として独立し、難案件(公益財団移行に伴う組織改革、55年に亘る8行とのバンクミーティング、数年難航の生産緑地解除など)の変わった実績も有り。
コア・イデオロギー:組織関係無し、世の為、人の為に貢献する。
【 注 】 著者からの原稿をそのまま掲載しています。読者の皆様のご判断で、自己責任で行動してください。
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