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【連載小説】竹根好助の経営コンサルタント起業6章 苦悩 11 充実した日々

2025-01-10 09:57:46 | 【小説風】竹根好助のコンサルタント起業

  【連載小説】竹根好助の経営コンサルタント起業6章 苦悩 11 充実した日々 

 
■ 【小説】 竹根好助の経営コンサルタント起業 
 私は、経営コンサルタント業で生涯現役を貫こうと思って、半世紀ほどになります。しかし、近年は心身ともに思う様にならなくなり、創業以来、右腕として私を支えてくれた竹根好助(たけねよしすけ)に、後継者として会社を任せて数年になります。 竹根は、業務報告に毎日のように私を訪れてくれます。二人とも下戸ですので、酒を酌み交わしながらではありませんが、昔話に時間を忘れて陥ってしまいます。
 これからコンサルタントを目指す人の参考になればと、私の友人が、書き下ろしで小説風に文章にしてくれています。 原稿ができた分を、原則として、毎週金曜日に皆様にお届けします。
【これまであらすじ】
 竹根好助は、私の会社の後継者で、ベテランの経営コンサルタントでもあります。
 その竹根が経営コンサルタントに転身する前、どのような状況で、どの様な心情で、なぜ経営コンサルタントとして再スタートを切ったのかというお話です。

 1ドルが360円の時代、すなわち1970年のことでした。入社して、まだ1年半にも満たないときに、福田商事が、アメリカ駐在事務所を開設するという重大発表がありました。
 角菊貿易事業部長の推薦する佐藤ではなく、初代駐在所長に竹根が選ばれました。それを面白く思わない人もいる中で、竹根はニューヨークに赴任します。慣れない市場、おぼつかないビジネス経験の竹根は、日常業務に加え、商社マンの業務の一つであるアテンドというなれない業務もあります。苦闘の連続の竹根には、次々と難問が押し寄せてくるのです。
 日常業務をこなしながら、アテンドという商社マンにつきものの業務を自分なりに見つめ直す竹根です。慣れないニューヨークを中心としたアメリカでのビジネスですが、時として折れそうになってしまいます。そのようなときに、若い竹根の支えとなってくれるのが、本社で竹根をフォローしてくれるかほりで、実務支援だけではなく、存在の有り難さに感謝を竹根です。

◆6章 苦悩
 商社マンは、商品を輸出すれば良い、というのが、それまでの商社の生き方でした。はたしてそれで良いのか、疑問に纏われながらの竹根好助でした。その竹根が、何とか現状で仕事をしながら活路を見いだそうと考えていました。
 しかし、問題は、そんなに簡単なものではなく、苦悩する竹根です。
  ※ 直前号をお読みくださるとストーリーが続きます。
     直前号 ←クリック

◆6-11 充実した日々
 かほりと電話で話をできて、あきらめかけていた二人の間が急に温かいものになってきた。
 竹根は、仕事に、大学院の予習と復習に、今まで以上に身が入っている自分をうれしく思った。充実した日々のことを、毎夜かほりに手紙としてしたためた。かほりからも毎日のように、時には、重なって二通来る日もあった。そんなときにはうれしさが何倍かになる一方、翌日は、かほりから手紙が来ないことがわかっていながら、ときめきを持ってポストを開ける。
 かほりの手紙から、かほりが毎日仕事が終わると千葉の実家に行き、父親を口説いたことがわかった。頑固なかほりの父親は、かほりを勘当するとまでいい、かほりが出社した後、先日の竹根への最後通牒の電話をかほりの父親がしてきたこともわかった。
 勘当されたのだから、あとは竹根のもとに飛ぶしか自分の行くところはないと考えて、竹根に半月ぶりに手紙を書いてきたというのである。ようやく、竹根には、これまで手紙もなく、いきなり父親から電話があり、香りのする手紙が届くまでの経緯がわかった。
 竹根は、「自分に任せろ」という内容の手紙を、会社にいるかほりに電話したすぐあとに送った。それをかほりが受け取ったのは四日後であったが、かほりは次第に竹根の夫となることの自覚を持ち始めた。
 かほりは、竹根からの手紙を見せたことで、「第一関門の母親の了解も取れた」ということを伝えてきた。かほり自身も、自分の進むべき道が着実に拓かれ始めたことを実感できるようになってきた。
 戦後、二十歳そこそこで未亡人になってから、結婚もせず一人で育ててきた竹根の母は、かほりに優しい言葉の電話をした。
 それだけではなく、土地の権力者という、誰もがあまり近づかないかほりの父親を、怖いもの知らずで訪問して、説教をしたという。相手が、首を縦に振らないことがわかると「とにかく、竹根に籍を入れます」ときっぱりと言って帰ってきた。
 竹根が、それを知ったのは、会社のかほりに電話をしてから一週間後のことである。
 かくして、籍が入ったかほりは、会社でも皆から祝福され、ニューヨークに来ることになり、会社からは秘書として仕事をするように辞令が出た。三ヶ月後には、竹根は出張の時以外は、かほりと肩を並べて通勤することになっていた。
 竹根にとって、本社へのレポート、かほりへの手紙を書き続けたことで、ペンだこを育てるだけではなく、後に経営コンサルタントとしての仕事に重要な、文書での表現力がここでも培われた。
 駐在員事務所は、ニューヨーク法人となったが、相変わらず、日本からはアメリカ詣でがつづいた。一九七〇年代、海外で活躍する人たちは「企業戦士」と言われ、竹根も立派な企業戦士の一人となり、仕事も順調に進んだ。とりわけ、福田商事が開発した、日本で初めてのIC電卓は、アメリカでも順調に売れた。竹根が渡米して三年目には、めでたく大学院も卒業できた。
 長女も生まれた。アメリカで生まれたことにちなみ、「由紗里」と命名した。アメリカ、すなわちUSAは、「ゆさ」と読める。「アメリカが里」であるという意味である。
 丸五年のアメリカでの任期を終え、多くの経験、とりわけ、多くの中小企業の経営者・管理職と出会えた経験を持って、東京本社に帰任した。竹根にとって、もっとも大きな収穫は、かほりという人生のパートナーを得られたことである。
  <続く>

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■【小説風老いぼれコンサルタントの日記】 1月9日 ◇カシャリひとり旅 北海道札幌市 大通公園を映像で視る ◇経営四字熟語

2025-01-10 08:21:00 | 【小説風 傘寿】老いぼれコンサルタントの日記

 

  ■【小説風老いぼれコンサルタントの日記】 1月9日 ◇カシャリひとり旅 北海道札幌市 大通公園を映像で視る ◇経営四字熟語 

  平素は、私どものブログをご愛読くださりありがとうございます。

 私の後進として会社を託した竹根好助の経営コンサルタント起業経験や、その会社の日常業務、自分の思いなどを「【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記」として連載しています。

 日記ですので、原則的には毎日更新、毎日複数本発信すべきなのでしょうが、表題のように「老いぼれ」ですので、気が向いたときに書くことをご容赦ください。

 紀貫之の『土佐日記』の冒頭を模して、「をとこもすなる日記といふものを をきなもしてみんとてするなり」と、日々、日暮パソコンにむかひて、つれづれにおもふところを記るさん。

【 注 】

 日記の発信は、1日遅れ、すなわち内容は前日のことです。

■【小説風 傘寿の日記】

 私自身の前日の出来事を小説日記風に記述しています。

1月9日

 1月10日(金)にe-Learning収録を目前に最後の確認をしました。

 忙しいときには、いろいろと重なるもので、ブログの新規執筆者の原稿対応や緊急の事務処理など、大わらわの一日でした。

 【カシャリ!ひとり旅】で旅をしてきていますが、写真の整理はなかなか追いつきません。一方で、時間がある時に、一息入れるために、かつてアップロードした写真を見直すこともあります。

 多忙な中、就寝前に、心を落ち着けるのに効果的です。

◆北海道札幌市 大通公園

 

 

 

 

 札幌市の木は、北海道のイメージぴったりのライラックであり、
 市の花もスズランです。
 大通公園などを歩きますと楡(ニレ、エルム)が目立ちます。

 札幌市は「エルムの杜」と呼ばれるくらい市内処々で見ることができます。

 落葉広葉樹で、春の新芽は、短時間に大きな葉となり、
 真夏には木陰を作ってくれます。
 秋は、黄色く紅葉し、観光客だけではなく市民も楽しんでいるようです。

「インスタ映え」という言葉が市井を走っていますが、何も飾らない、ひとり旅の旅先で感じて、見て、カシャリとした写真を、動画としてお届けしています。

 札幌の代表的な見どころである北大、赤レンガ庁舎、藻岩山、時計台、北海道神宮などを回りました。

  https://youtu.be/KsN0o0PbWu8

■【今日のおすすめ】

  ■杉浦日向子の江戸塾 12 江戸情緒に学ぶ 江戸流儀による寿司の“喰い方”

 かねてから興味を持っていた江戸庶民の生活、江戸から学ぶことが多く、時々気分転換に、江戸に関する書籍を手に取ります。
 とりわけ故杉浦日向子女史の本は、江戸風物詩を手に取るように語ってくれます。

  杉浦日向子女史カテゴリー総合URL
  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/bfe47cef8ca02863f1dfd5214661aa87

■【今日は何の日】

  当ブログは、既述の通り首題月日の日記で、1日遅れで発信されています。

  この欄には、発信日の【今日は何の日】と【きょうの人】などをご紹介します。

  ■【今日は何の日】 1月10日 110番の日 十日戎 歌会始、歌御会始

  ■【きょうの人】 0110 ■ 臨済 臨済宗の開祖 ■ 福沢諭吉生誕 ■ 島村抱月 新劇運動の先駆者 ■ 尾崎 紅葉 明治の文豪 泉鏡花ら後進を育成 

■【知り得情報】
 「経営とは、環境対応業である」という名言は、私の先輩コンサルタントが残してくれた言葉です。
 その経営環境は、めまぐるしく変化します。政府や自治体も、その変化に対応できるように中小企業向けの各種施策を提供しています。ところが、その情報が中小企業に伝わっていないことが多いです。その弊害除去には焼け石に水かも知れませんが、仕入れた情報をときどきご紹介します。
 重複してお届けすることもありますが、ご容赦くださいますようお願いいたします。

◇《制度》認定経営革新等支援機関制度における早期更新申請
 経営革新等支援機関制度において、2023年度から2025年度にかけて、認定の更新申請が必要な認定支援機関が多数存在します。
 経済産業局における審査を円滑に進めるため、早期の更新申請がお薦めです。
  https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/2024/241212shinsei.html
  出典:e-中小企業庁ネットマガジン

■【経営コンサルタントの独り言】

 その日の出来事や自分がしたことをもとに、随筆風に記述してゆきます。経営コンサルティング経験からの見解は、上から目線的に見えるかも知れませんが、反面教師として読んでくださると幸いです。

  視点を変えると四字熟語からいろいろなものが見えてくる 109

 四字熟語というのは、漢字4文字で構成された熟語で、中国の故事などに基づくことが多々あります。

 ところが、それだけではないのです。

 多くの四字熟語を見ますと、経営コンサルタント歴40年余の目で見ますと、経営に直結する示唆の多いことに気がつきました。

 独断と偏見で、それを皆様にご紹介しています。

 今回は、「一視同仁」ですが、どの様な意味でしょうか?

 経営者・管理職に、この四字熟語をどの様に行かしたら良いのでしょうか?

 ブログをどうぞ・・・

  http://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/795ea9c5083554618152f1b497293535

■【老いぼれコンサルタントのブログ】

 ブログで、このようなことをつぶやきました。タイトルだけのご案内です。詳細はリンク先にありますので、ご笑覧くださると嬉しいです。

  >> もっと見る


■【小説風 傘寿】老いぼれコンサルタントの日記 バックナンバー
  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/a8e7a72e1eada198f474d86d7aaf43db

 

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