三冬;四季の一つ。二十四節気の立冬(一月八日頃)から、立春の前日から、立春の前日(二月三日頃)までの期間を冬とする。俳句ももこれに従う禮が多い。陰暦での三冬(初冬.仲冬.晩冬)まとめた90日間九0日間を九冬ぶ、現行の陽暦では12月.翌年の1月.2月.または)天文学上では冬至から春分までを冬とする。日本の西方に高気圧が張り出し東の方に低気圧があるという気圧配置(西高東低)になる。この両者の差が大きいために、日本海側では雪の日や曇りの日が多く、太平洋側では晴れた日や乾燥した日が多いなど、地域によつ気候の特徴が異なる概して北西風が強く一年で最も寒い。モスクワに突入したナポレオンが雪と厳しい寒さのために敗北した史実にちなみ、厳寒を冬将軍と擬人化してよぶ習いから、これを冬の異称としている。「打ちやむに間のなき冬の(極めた)かな 来 山」「石枯れて水しぼめるや冬もなし 芭 蕉」「松原や時雨せぬ日も冬の音 杉 風」「しずかさや二冬なれて京の夜 其 角」「川音やあらしをながす冬の松 野 姿」「冬旅の前はおほきな湖水かな 北 枝」「起き憂きを起き出て冬の勇かな 太 娥」「冬帝先だつ日をなげかけて駒ケ岳 高浜虚子」「冬といふもの流れつく深山川 高浜虚子」「雑然と冬となりたる一間かな 阿部みどり女」「熱帯魚みどりなる藻に住めり 水原秋櫻子」「冬の宿阿寒の毬藻のみ青く 山口誓子」「三冬や身に古る衣のひときね 高島麦南」「ふかし芋割るやより添ふ冬の宿 横光利一」「鳥の名のわがなわびし冬さびし 三橋鷹女」「中年や独語おどろく冬の坂 西東三鬼」。(冬すでに路標にまがふ墓一基 ケイスケ)