サワキヨウ(キキョウ科;ミゾカクシ属)花言葉は、高貴。日本全土にわたって自生している多年草で、秋の七草の一つにかぞえられている。『万葉集』にある山上憶良の七草に詠み込んだあさがおの花は桔梗だといわれている。『桔梗のむらさきの色ふかくして富士見が原に吾は来にけり」と斎藤茂吉は詠んでいるし、「野草の中のおもひがけず咲き出でたるは、田家の草の戸によき娘見たる心地ぞする」と『百花譜』にもあるように、その色に目を奪われる。栽培の物に色の白い白桔梗もある。沢桔梗は山野の湿地などに生える多年草。しばしば見事に群生している場所がある。茎は中空で50~100㎝ほどになり、無毛で枝分かれしない。葉は無柄で互生し、披針形でふちには細かい鋸歯がある。茎の上部に総状花序をつくり、濃紫色で長さ3㎝内外の唇形の花をつける。上唇は2深裂、下唇は3浅裂し、ふちには長い軟毛がまばらに生えている。花期は8~9月生育地は山野、分布地は北海道、本州、四国、九州。同属にミゾカクシ(アゼムシロ)がある。花の形は異なるが、どちらも美しい花である。「桔梗の露きびきびとありけり 川端茅舎』「桔梗摘む少女や牛を追いながら 原 利城」「噴煙は雲の中なる桔梗かな 中嶋斌雄」「膝折りて牛が水呑む花桔梗 松井葵紅」「桔梗や足しなやかに仔牛来て 岡本まち子」「桔梗を朝風夕風濃くしたる 木附沢麦青」。(沢桔梗そぼ降る雨に耐えて咲く ケイスケ)