ライラック(リラモクセイ科)花言葉は、思い出を大切に。紫丁香花。ヨーロツパ原産のモクセイ科の落葉高木。ライラックは英名、リラは仏名で、外国文学にはよく登場する花である。日本には明治に入ってきたが、寒冷を好むことから北海道に多く、札幌のい代表的な花として定着し、「リラ冷え」「リラの雨」などという季語も右馬生まれている。多数の薄紫色の四弁の小花が、葡萄の房のような量感でだ先に咲く。その穂状のかたまりは芳香を放ち香水にもなる。園芸種には白色、淡桃色、桃紫色の花もある。「夜話つひ句会となりぬリラの花 高浜虚子」「空もまた暮れつつリラの色となる 水原秋櫻子」「舞姫はリラの花よりも濃くにほふ 山口青邨」「リラ冷やとろ火にラード溶かしゐて 熊谷愛子」「リラ冷えてトラスチは物を売る 神尾季羊」「リラの花含磋の風すぎにけり 鷲谷七菜子」「リラ咲けば誰も旅人港町 古賀まり子」「ライラック咲いて調度はもの古りて 大峯あきら」「リラの花了ふ少女期の妻知らず 倉橋洋村」「父までの瓦礫を越えるリラの枝 宇多喜代子」「学園のリラに歩を寄せ老牧師 大木格次郎」「聖者には永き死後ありリラの花 片山由美子」「リラの花餅の重さのチーズ買ふ 松尾隆信」「リラ咲くや人の手紙に我のこと 森賀まり」「リラの花弾く提琴の弓白し 村田白峯」「リラ白し旧き庁舎の赤煉瓦 塩田藪皖子」「リ」「ラ冷の快晴の朝あり 日夏緑影」「ポストまで手紙を庇ふリラの雨 藤間洋子」「路ら咲くや家閉ざして子を産みに 村上安子」「りらの街観光馬車に子等乗りて 福川ふみ子」「ライラック少女小説いまもなほ 筒井泰子」「りら冷え旅の鏡に灯を点す 西田純子」「リラの花菓子作りして修道女 山脇睦久」「リラ冷えやダイヤ肌につけてこ 平岡新太郎」。(うつろなる老幹にして花盛り 小野瑞枝;秋の夜やリラ咲いて人のこゑする水のうえ 小野謙治」