ウツボくクサ(シソ科)花言葉は、協調性。日当たりの良い草地に生えるシソ科の多年草。茎の先に円筒形の花穂を出し、紫色の花穂をだし、紫色の唇弁花を密につける。花穂の形が弓矢を入れるために用いた紗綾に似ているために用いたこの名がついた。別名の夏枯草は真夏に枯れたように褐色になることからといわれ、利尿剤の生薬とされる。「尋ね行く武庫の山や靭草 」「うつぼ草豊かに八ヶ丘の雲散らす 雨宮苞星」「雨あとの薮に日入る靭草 菊池一雄」「雄国望む峠やうつぼ草 石原栄子」。(虫の夜やすこやかな地の息づかい 小野瑞枝;岸壁を踏み外さむ荒神輿 小野謙治)
アジサイ;ユキノシタ科の落葉低木で、日本原産の額紫陽花を母種とする。(紫陽花)花言葉は、移り気.乙女の愛。わが国のに山種に分布し、園芸品種として占める位置も大きい。陰湿の地を好み、葉は対生で楕円形鋸葉。梅雨に入りの頃から咲き始め,梅雨は終わる。花弁に見えるのは萼片で、花はその中に細かい粒のようになつている。名はァヅと真藍による。酸性土で藍紫、アルカリ土で紅の花色が強くなり、またフラボン系のぶつ物質の変化により花色が順に変化する。「紫陽花や藪の小庭の別座敷 芭蕉」「紫陽花や柚子時の薄浅黄 芭蕉」「あじさゐを五器に盛らばや草枕 蘭雪」「あぢさゐに喪屋の灯うつるなり 晩台」{あじさゐや仕舞のつかぬ昼の酒 乙二」「あじゐや澄み切つてある淵の植え 藍虹」「紫陽花やはなだにかはるきのふける 正岡子規」「紫陽花や白よりいでし浅みどり 渡邊水巴」「花二つ紫陽花青き月夜かな 泉 鏡花」「あちさゐの雨を寒がる女かな 野村喜舟」「あじさゐやなぜか悲しきこの命 久保田万太郎」「曜ぎ場に紫陽花ううるりけり十二橋 水原秋櫻子」「紫陽花や師の音声のラジオより 石田波郷」「紫陽花は植え込の花人力車 京極紀陽」「あじさゐやきのうの手紙は古ぶ 橋本多佳子」「あじさゐの毬より授よ駆け出よ 篠原蘭作}「あじさゐの藍ヲ尽くして了りけり 安住 敦」「あじさゐの毬はい一つも地二つかず 上野章子」「紫陽花の紫紺をつくし滝飛岬 成田千空」「紫陽花剪るなほ美しきにおのあらば剪る 津田清子」「絹の服着てなじむ午後を日の四蕪 鍵和田柚子」「紫陽花のパリーに咲けば巴里 星野 椿」「あじさゐの地獄を花とおもひけり 高橋 龍」「球重うして紫陽花は知恵の花 大石悦子」「兄亡くし提出夕刊が来る濃紫陽花 正木ゆう子」紫陽花や子を生み終へし高いびき 岩田由美」「あじさゐのどのはなとなく雫かな 岩井英雅」「紫陽花に眼ひ夜を徹す 松村多美}{風立ちて毬のおさなき四蕪かな 遠藤悠紀」。(移り気の紫陽花咲けり 梅雨の時 謙治。約束に闇あり潮さす春の川 小野瑞枝)。
スイカズラ科「しのぶの常緑蔓性本。山野に自生。果は冬も枯れないの「で忍冬」呼ばれる。「初夏に、葉のつけ根に二つずつ並んで細い筒形の半をふぃらく。上部が五つに裂け芳香を放ち、吸うと葛の名がついた。はじめに白く、のちに淡黄色に変わるので金銀花ともいう。「忍冬の花のうちからむくまでかな 白雄」「有らば有れ多きは卑し金銀花 太筑」「忍冬の花折りもちてほし 後藤夜半」「忍花の花こぼせしる言葉かな 後藤比奈夫」「森に摘む薬酒づくりの金銀花 富山青斥」「すひかずら波郷を知らで波郷門 渡辺和夫」「すひかずらすればすばほのと恋心赤沼淑子」「抱卵のくらがりへ垂れすいかずら 岩崎嘉子」。(今日から入梅。小野謙治;梅雨深く港の音を包みおり;小野瑞枝)
ユキノシタ(ユキノシタ科)花言葉は、切実な愛情;純愛。ユキノシタ科の常緑多年草で、山野の日陰で湿った場所に自生。庭に植えられルことも多い。紅紫色の走出枝を出して繁殖する。葉の表面は緑色で赤い毛が生える、裏面は紅紫色。五~7月頃、20センチの茎の上部に五弁の小花の総状花序をつける。上三枚の花弁は小さく、下二枚は垂れる。黄色と紅色の斑点が美しい。葉は薬用.食用。「雪の下名のらで寒し花の色 越人」「日さかりの花や涼しき雪の下 曇舟」「六月をしづめてさくや雪の下 東以」「六月をしづめてさきや雪の下 東以」「ふもと井や湯女につまるるゝ鴨足草 飯田蛇忽」「山の井に影こそ沈む雪の下 松尾いは穂」「歳月やはびこるものに鴨足草 安住 敦」「母逝かす大事にこれなし鴨足草 上田五千石」「水湧いておのっから雪の下 福村青威」「鈴杖の地を叩き過ぐ鴨足草 嵐草慶子」「佃島古い路地なりゆきのした 大江耐女」「前世より淋しく生きて鴨足草 伊藤通弘」(雪の下名のらで寒し花の色 小野瑞枝;日さかりの花や涼しき雪の下 小野謙治。
ガーベラ;花言葉は神秘;一家団欒。キク科ガーベラ属の多年草。明治末期の渡来とされるが、南アフリカ原産のいくつかの近縁種の交雑にいる園芸植物で、鉢植え、切リ花として愛される。高さ30㎝くらい、切レ込みのある葉を広げ、中心部から花茎を出して頭上花をつける。赤、橙系が多いが、色形ともに変化に富むものが作りだされている「明日の日の華やぐ如くガーベラ挿す 藤田湘子」「ガーベラや鷗外漁史に恋一つ 矢島渚男」。(青梅雨明の瑠璃戸明るく港見ゆ 小野瑞枝;草の穂や鉄路の柵に傘を干し 小野謙治)
茨の花;花茨;野薔薇、茨(バラ科)花言葉は、素朴な可愛らしさ。日本全土の三やに生えるばらバラ科の落葉低木。枝は下向きに曲がった刺があり、若葉の頃、枝先や葉の腋に五弁の小花を円錐状に多数つける。果実は球形で熟すと赤きなり、薬用とされる。洋風で華やかな薔薇と違い,野趣に富だ可憐sだが香りとともに愛でられる。「荊の花裾きらしや旅衣 嵐雪」「花いばら故郷の路に似たり 蕪村」「憩ひつつ丘にのぼれば花いばら 蕪村」「道のべの低きにほひや茨の花 召波」「故郷やよるもさわるる茨の花 一茶」「野茨の花に干し出っ廃寺院 飯田龍太」「花いばら髪ふれあひてめざめあふ 小池文子」「花茨ゴルフボールが遷りさう 鍵和田柚子」「花茨この世は遠きランプかな 鳴戸奈菜」「和を見ず茨の花を見て答ふ 森賀まり」「城跡は石の塊花いばら 飛岡光枝」。(虫の夜やかな地の息つかひ 小野瑞枝;野茨の花に星出ヅ廃寺院 小野謙治)
イワカガミ(イワウメ科)花言葉は;忠実。イワウメ科イワカガミ属の常緑多年草。亜高山帯の草地や瓦礫地、または林緑などの生える。花茎は10センチ程度で淡紅色な花が横向きまたはややかたよって三~一0個つける。花冠は鐘形で五裂しさらに先端が細く裂ける。和名の岩鏡は、岩場に生えることと、光沢なある葉を鏡に見立てたことによる。「岩鏡咲きかぶさりし清水かな 中村素山」「岩鏡山雨に男濡れし黒し 村越化石」「岩かがみ霧が暗しと灯ともす 藤岡筑敦」「岩かがみザイルに打たれ花こぼす 岡田貞峰」「補陀落に続く径なり岩鏡 阿部月山子」{岩鏡霧の中より講の鈴 柚口 満」「尾根に出て雲まぶしめり岩鏡 国枝隆生」(秋立つや航跡川をなすごとく 小野瑞枝;虫しぐれいつしか雨の降つており 小野謙治)
花茄子(バラ科)花言葉は、照り映える容色。ナス科の一年草。枝が分岐するにしたがつて葉脈に沢山の蕾をつけ、淡紫色の下向きの合弁花が秋まで咲続ける。その間に実を結び収穫が続く。「茄子の花と親の意見は千に一つも仇はない」のことわざ通り,茄子の花には無駄がなく、必ず結実する。「葉の紺に染まりて薄し茄子の花 高浜虚子z」「茄子の花詩は真実にかえりけり 田川飛旅子」「うたたねの泪大事に茄子の花 飯島晴子」「紺一身より出ててむらさき茄子の花 きくちつねこ」「亡き人のもの減りゆく茄子の花 片山由美子」「茄子の花長子必ずしも続かず 高崎武義」「老いといふ未知の世界や茄子の花 石田栄子」「信用は明日への投資なすの花 松浦敬親」。(咲き競ひてはさばさばと芥子坊主 小野瑞枝;コスモスの花野にふはと人浮かび 小野謙治)
ハマナス(バラ科)花言葉は照り映える容色。バラ科の落葉低木。太平洋岸の茨城より北、および日本海側の鳥取以北、そして北海道海岸の砂地に群生する。枝は太く、剛毛と刺は太く、剛毛と刺がかなり多い。60月~7月に紅色の花を開き、芳香を放つ。北海道の夏を代表する、たくましく、かつ美しい花としての印象が強い。「塊根の丘を後にし旅つゞ 高浜虚子」「攻塊や今も沖には未来あり 中村草田男」「はまなすや親潮と知る海のいろ 及川 貞」「はまなすや砂丘にたたかい砂丘に墓 古沢太穂」「致塊に言葉寄せ合ふ砂の道 古館曹人」「致塊にまぬがれたき雨となる 大峯あきら」「致魂は人待つ花よ風岬 渡辺恭子」「塊魂に心の画布の殖ゆる旅 吉村ひさ志:「宗谷への一理致魂砂防垣 藤村瑞子」「致魂や海より賜ふ深呼吸 阿部真希子」「致魂や貧しき浦の摩崖仏 片山峰子」「塊根や波の秀蒼きオホ一ツク 林 泉水」「致魂や白兎海岸兎波 赤坂八重子」。
スイレン(スイレン科)花言葉は、純粋な心;信仰。スイレン科スイレン属の水草の総称。北半球の熱帯から温帯の沼沢に広く自生する多年草で、改良を加えて観賞用にされている。根茎は水底泥中にあり、水面に浮かべる。円い葉は濃緑で光沢があり、裏側は赤紫を帯びることが多い。夏になると花茎を伸ばして、直径10~25センチの蓮に似た花を咲かせる。色は白。黄。紅紫など。末の刻(午後二時頃)に開花することで末草と呼ばれているが、昼咲と夜咲きのものとがある。「睡蓮をわたり了せる蝶高く 高浜年尾」「睡蓮や死なrぬものの似て肉浄めよ 中村草田男」「睡蓮に問う雨の日のモネの起居 伊丹三樹彦」「星よりの伝言の彩ひつじくさ 友永佳津朗」「末草限りなく寄す車椅子 日原輝子」「しほかぜのすぎゆく音やひつじ草 佐怒賀正美」「さんだるを編む睡蓮のほとりかな 天野小石」「睡蓮の水は流ること知らず 佐藤博美」「玉杯に雨を受けたり末草 吉田愛子」「雨粒のひかりとなりぬ末草 赤間はる江」「大愚語に開きつたる末草 小田島亮悦」「木の橋にタールの匂い羊草 木村てる代」「睡蓮にヒマラヤ杉の太き影 佐藤宣子」、「睡蓮をわたり了せて蝶高く 高浜年尾」「睡蓮の花閉じ月光浄土かな 柴田白葉女」「睡蓮や聞き覚えある水の私語 中村苑子」「睡蓮に水盛り上げる鯉の道 伊丹三樹彦」「睡蓮や聞き覚えある水の私語 中村苑子」「睡蓮に水盛り上げる鯉の道 伊丹三樹彦」「睡蓮の開花の刻の水しぶき 菊池恒子」「睡蓮やふと日月は食しあふ 安井浩司」「睡蓮やふと日月は食しあふ 安井康司」「睡蓮の余瀬清水の無りょうかな 渡辺啓次郎」「黄金の鯉が水尾ひく末草 加古宗也」「睡蓮の水より咲いて水輝く 三村純也」「芯見ゆるまで睡蓮に歩み寄る 高村満子」。