Y's クロニクル

旅行等の一生思い出に残る事から日々の小さな出来事まで少しずつクロニクルに残せたら・・・と思っています。

21世紀ボーイと20世紀おばさんの音楽

2010-10-29 08:38:31 | 音楽

   我が家の末っ子はこれから、就活が始まる大学生である。男の子で名前はRと言う。
   このRが朝、起きてくると私のプライベートな時間は彼が学校へ向かう時間まで
   失われてしまう。
   朝なので、家事をしながらTVをつけていたり、パソコンで調べ物をしていたり、
   いろいろだが、音楽などを流していると、途端に自分の趣味を押しつけてくる。
   強制的にYOUTUBEを延々と見せられる。

   彼は母親の期待通りロック少年に育った。高校では軽音部にに所属し、大学では音楽系
   サークルともう一個所属している。
   母親の期待通りというのは、昔、私もロック大好き少女であった。あの頃はフォークも
   好きだった。クラシックも好きだった。生まれ変わったらロックシンガーになりたいと
   切に思っていた。

   なので、男の子が生まれたので、小さい頃には玩具のギターをあたえ、彼はよく
   尾崎の真似をしていた。
   Rが生まれた頃は、私の大切にしていたレコードコレクションをほとんど聴けなかった。
   それはCDが出てきて、レコード針が無くなっていたのだ。それに3人の子育てで、
   ロックをあまり聴かず、ほとんどFMでバロックなどを聴いた時期だ。なので、Rもバロック
   が好きだった。遊びから帰って来て私がロストロボービッチのバッハ、無伴奏を聴いている
   と「ママ、凄いね~」と感慨深げに言ったので「幼い子は本物の芸術がわかるんだ!」と
   驚いたものだが、今考えると単にあのチェロのベース音に驚いただけなのかもしれない。

   Rが未だ幼稚園に上がる前の時期にびっくりした事がある。私は昔、レナード・スキナード
   の「フリーバード」が大好きだったのだが、結婚してからは聴いた事はなかった。
   そのRと散歩していて、小鳥が鳴いた。聴いた事のない鳴き声だった。心の中で
   「フリーバードのイントロ部分に出てくる鳴き声の様だな」と思っていたら、Rが「ママ、
   この鳥の名前はフリーって言うんだよね?」と聞いたのだ!
   私は本当にビックリを通り越したが、その彼は今レナードスキナードが大好きだ。

   Rの音楽趣味は変わっている。バーズ、ポコ、イーグルス、CSN、ピンクフロイドの
   初期メンバーのなんたら最近はコーラルなどだが、60,70年代の音楽が好きらしい。
   流石に私も知らないが、昔聴いていた日本のフォークなどはそれらのグループの影響を
   モロに受けていたのだと、Rから教えられた。「プロコルハルムはね元祖プログレだよ」
   などと言っている。「青い影」しか知らなかった私は成程と認識を新たにする。
   
   昔、音楽的にというより森一美がだ―い好きで、山本コータロ―とウイークエンドの
   ファンだった。申し訳ないが音楽性は?だったが、最近、Rが「岬めぐり」が良いという。
   CDも復刻されて2枚持っているが、今聴くと確かにバーズの影響が日本式に
   昇華されて、サウンドが素晴らしい。他にこの様なフォークカントリーのグループは
   いたのかと、昔気付かなかった所に気付く。何年か前2度ほど、曙橋のライブハウスに
   彼らのライブを見に行ってRもとても気に入っていた。

   とても興味深く思う事は、昔マイナーだったグループが若い人にも受けている。
   日本の音楽で最高のアルバムであると思っている「はちみつぱい」の「センチメンタル通り」
   はあの当時知っている人がほとんどいなかったが、2年ほど前Rのサークルの先輩が
   学園祭でコピーしていた。リアルタイムではコピーしているバンドは見かけた事が無かった
   。小坂忠なども人気だし、むかしメジャーだった日本人のほうが聴かれなくなっている。
   そのマイナーなファンだった私は感慨深いものがある。

        


   これは学園祭の時のものだが、後日これを見た鈴木慶一さんご本人から
   「良かったよ」と声をかけてもらったそうだ。