池上彰が東京工業大学の先生方と行った、教養に関する公開対談・鼎談集である。池上彰は「週刊子どもニュース」で難しい社会の仕組みをわかり易く説明したことでブレイクした。しかし国立大学の教授までしているとは知らなかった。
本書は基本的には理工系の学生を念頭に置いた本である。池上は教養とは歴史から物理学まで様々な分野の知の体系を学ぶことで、世界を知り、自然を知り、人を知ることであるという。すると世の理が見えてくる。
あなたには専門知識がないと言われても言い訳ができるが、教養がないといわれると人格を否定されたような衝撃を受けるとも言う。あなたには知恵がない、と言われるのと同じ事かもしれない。その教養が近年、ないがしろにされているらしい。その理由は、教養は直ぐには役に立たないからだという。
昨年6月、文科省は全国の国立大学に通知を出した。その中で、教員養成系や人文社会科学系の学部や大学院は、組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に取り組むことという一文があった。
この通知はマスコミでも取り上げられ、大きな反響を呼んだ。経団連も批判的な声明を出し、文科省は誤解だとして釈明せざるを得なかった。
しかし社会全体としては、教養をそれほど必要と感じてはいないようにも思う。物理や化学のようにすぐには役に立たないからである。お金を稼ぐわけでもない。ただ、直ぐに役立つものは直ぐに役立たなくなるともいえる。合理性を追求していって、結果が合理的なものになるとは限らない。
それは人間が生き物だからである。人は合理性だけで社会行動や経済活動をするわけではない。だから歴史に学ぶのも大事な事であり、文学を勉強することも有用であると思う。
下世話な例えで恐縮だが「〇〇とはさみは使いよう」という言い回しがある。この使いようを身につけるのが教養ではないか。
上記の感覚で私もいます
教養とは…?説明がつきませんが1+1=2だけ
ではない?
1.8+0.2=2…も…うまく説明できませんね?
算数でもなければ物理でもない?
あぁ~~わからないけれどなんとなく……??
いろいろ見たり聞いたり、読んだりすることが教養につながるのかとな思っています。
専門知識だけでは駄目だということだろうと思います。