田園都市の風景から

筑後地方を中心とした情報や、昭和時代の生活の記憶、その時々に思うことなどを綴っていきます。

臭いで思い出す愛犬との日々

2017年10月16日 | 日々の出来事

 昨日の夜は少し冷え込みました。家内は押し入れから赤い綿入れ半纏を出してきました。しかし何か臭います。家内は昨年亡くなった愛犬の臭いだといいます。老犬になってからは部屋の隅で横になることが多く、冬には寒かろうと家内は自分の半纏を被せてやっていたのです。

 ああ、この臭いだと思い出しました。犬の独特の臭いです。着物地に臭いがしみ込んでいるのです。季節の変わり目に洗濯はしたそうですが臭いは落ちないようです。

 次男がまだ高校生の頃でしたか、生後間もない一匹の子犬を拾ってきました。外に出すのも可哀相だとしばらくのあいだ部屋の中に置いていたら、そのまま室内犬になりました。

 室内犬として飼っていたので大人しい性格になりました。しかし不都合もありました。粗相はしませんでしたが床に毛が落ちたり臭いがしたり。床やカーペットの掃除、散歩のあとは風呂場で手足を洗うのが欠かせませんし、時々は体を洗ってやらないと臭うのです。寝るぞと言うとついてきます。私の布団の傍が彼の定位置でした。朝方に重苦しくて目覚めると掛け布団の上で寝ていることもありました。

 孫たちも馴染んでいました。子どもが巣立ってからは、家内は子ども代わりに可愛がっていました。家内の半纏は臭くてもう着ることはないと思いますが、その臭いから家族の一員として暮らしていた愛犬の思い出がよみがえってきました。

 

           晩年の写真です

 

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
匂いの思い出 (ろこ)
2017-10-16 14:47:52
こんにちは。
 わがことのように読みながら涙しました。
 ワンちゃんは家族の一員ですものね。
 寒いだろうと袢纏をかぶせてあげた奥さまのやさしさ。
 いとおしむ気持ちが伝わります。
 子供と同じですものね。
 亡くなった後、袢纏に匂いが残っていた。
 懐かしい大好きなワンちゃんの匂いです。

 我が家のヨークテリアのクッキーが付けた鼻水や、汗のついた私のジャンパーを洗うことができませんでした。
 匂いで、よみがえる愛しき家族の一員であった愛犬。
 在りし日の写真の中の顔が語りかけそうですね。
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今晩は (九州より)
2017-10-16 18:57:17
私は忘れていましたが、
愛犬が我が家に来たのはアメリカ同時多発テロの日だったと言います。
部屋に入って、真っ直ぐ家内の所に来たそうです。
中型犬ですが、大人しく可愛い犬でした。
亡くなって1年以上たちますが、
臭いを嗅いで彼が近くにいるような錯覚を覚えました。
コメント有難うございました。
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飼い犬 (tango)
2017-10-17 15:02:39
我が家も犬には悲しい思い出があります
子供が育てるといって子犬をいただいたのに
育てず妹がミルクをやりながらそだてました
あるとき散歩に行けずひもを離して遠くに行って
列車にひかれて亡くなりました
オスなのに<ダイアナ>とつけた犬は人間様と
同じに育てていましたので悲しみを味わいたく
ないので二度と飼わないようにいたしました
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おはようございます (九州より)
2017-10-18 09:29:31
愛犬を事故などで亡くしてもう飼わないという気持ち、わかります。
親戚は愛犬が突然死したので、遺影を飾って代わりに動く玩具の犬を部屋に置いています。
相手は動物ですが情が移ってしまうのです。
年齢のこともあり、私達ももう動物は飼わないことにしています。
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