田園都市の風景から

筑後地方を中心とした情報や、昭和時代の生活の記憶、その時々に思うことなどを綴っていきます。

懐かしの京都東山を歩く(下)

2016年11月15日 | 京都

 南禅寺を出てバス停を探しながら岡崎まで歩いて来ました。写真は平安神宮の大鳥居です。岡崎公園のランドマークになっています。平安神宮は京都に来た時に一度庭園を拝観したきりです。

 琵琶湖疎水です。この疎水の完成は、東京遷都によって沈滞していた京都に大きなインパクトを与えました。舟運、水力発電、用水などその後の京都の発展を支えました。

 学生時代に見聞したのは、千年の王城の地であったにも拘らず、京都人は新し物好きであるという事です。明治期には水力発電を利用した路面電車や町衆による小学校の開設など、日本で最初の先進的な事業が行われました。

 当時、疎水の発電を利用して東山に工場を立地させようという話があったそうです。もし実現していれば、東山の風景は今とはだいぶ異なっていたでしょう。  

  府立図書館前に路面電車が置かれていました。学生当時はこの市電に乗って、銀閣寺道から北野白梅町まで4年間通いました。

 今は京都に来るとバスを利用しますが、路面電車の方がロングシートで親しみやすいです。何よりも道路に敷かれた軌道の上を走るので、とんでもない方向に行くのではないかという心配がありません。この日は清水方面に行こうとして、バスを乗り間違いました。

 写真はロームシアター京都です。以前は京都会館といっていましたが、施設の命名権の売却により名前が変わりました。

 建物の南東部には1階に蔦屋書店が入り、2階は「京都モダンテラス」というレストランになっています。この日は2階で遅い食事をとりました。それでも順番待ちで賑わっていました。ここは以前は会議室だったように思いますが、洒落た施設に変身していました。 

  ストリートビューを見ていて改修工事を知り、京都会館がどのように変わるのか気になっていました。実際に行ってみると深い庇もそのままで、昔の印象からそれほど変わっていませんでした。

 新しもの好きの京都市民は政治面でもそのようで、長年の革新府政は私達大学生にも大きな影響を与えました。京都会館には音楽会などで行きましたが、ここである政治演説会にも よく出掛けました。団塊世代の青春時代は政治の季節でもあり、学園紛争があちこちで起きました。私達が卒業した後は学生の政治熱は急速に冷めてしまいます。

 京都市美術館です。たまたま前の晩にホテルでテレビを観ていたら、この美術館も命名権を京セラに売却するというニュースが流れていました。そういう時代になったのだなと思いました。それにしても50年間で50億円ですから、それだけの価値があるという事ですね。

 すぐ近くには国立近代美術館もあり、特別展にはよく通いました。東山に近い岡崎界隈には文化施設が集まっています。私は芸術にいそしむのでもなく学問に精進する訳でもなく、平凡な学生として京都会館のカフェテラスで文化的な気分に浸っていました。 

 岡崎からはバスを乗り継いできました。ここはねねの道です。高台寺前の通りになります。昔は産寧坂と二年坂しかなかったような気がします。新京極と比べてこちらは観光客相手に徹しています。

 

 ここは確か二年坂。今日は清水寺を拝観するのではなく、昔歩いたこの辺りの雰囲気を味わおうと来ました。それにしても着物姿が目立ちます。着物文化を広げるためには悪いことではないと思います。ただ何となく浴衣のイメージですね。物腰や歩き方もぎこちないような気がします。渋い着物姿を見たいと思いました。

 二年坂にある路地です。祇園辺りやこういう所にある店に入ったことはありません。もちろん学生時代は京都らしい町の佇まいとして眺めるだけでした。

  ここには学生の時に下宿の友人と入り、柄にもなくお汁粉を頼んだ覚えがあります。でも店はその時分とは違うような気がします。当時の店は緋毛氈を敷いた縁台がありました。

 すぐ前は高台寺であり、御陵衛士屯所跡があります。当時は何も知らずにこの前を歩いていました。あまり歴史に関心がなかったのです。

 丸山公園です。大学に入学したのは4月初めで、丸山公園の枝垂桜が満開でした。久し振りに来て少し印象が違いました。昔は小さいな枝垂桜が並んでいたような記憶があります。

 最後は八坂神社です。ここも京都の代表的なスポットです。一度、大晦日の晩に八坂神社と知恩院をお参りしたことがあります。知恩院の大鐘突きの光景には驚きました。八坂神社は縄に火を灯して持ち帰るおけら参りが有名でしたが、その時はどんな具合だったのか良く覚えていません。

  今回は学生時代に歩いた道をもう一度歩いてみようと思い立ちました。結果は懐かしくもあり、時代の移ろいを実感した旅でもありました。

 京都を満喫するためには時間が必要です。リタイアして京都に移住する人もいるそうです。そこまでいかなくても、いつかゆっくりと思い出の地を巡りたいですね。

  また少しブログを休みます。

  

 

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4 コメント

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九州様にとっては (takezii)
2016-11-15 07:48:17
京都は第2の故郷なんではないでしょうか。
若かりし頃 闊歩していた東山、思い出が 湧き出してきて 語り尽くせないのでは・・・、
一時の観光で訪れる京都とは異なり 自分の足跡を辿ることが出来る 九州様、羨ましい限りです。
どうぞ いつかまた 京都をゆっくり ご紹介下さい。
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おはようございます (九州より)
2016-11-15 08:27:30
コメント有難うございます。
青春時代の一時期を過ごした町ですから、京都を懐かしく感じます。
今回はブログを書きながら昔の事を思い出していました。
今は毎日のようにお出掛けしては、古里の町や自然を楽しんでいます。
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思いで (tango)
2016-11-16 05:22:01
九州様が学生時代に戻って心が京都にあることを
シッカリ感じます
京都はある部分は他県よりは変わっていないかもしれませんね?
しかし今の学生気質はずいぶん変わっていると思います
良かったですすね~~京都の思い出の旅
私も学生に帰った感じがいたしました!
よ~^く街の説明がわかりました~~(^_-)-☆
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tango様 (九州より)
2016-11-16 07:54:42
おはようございます。
今回の京都行は思い出巡りでした。
たまには青春時代に帰るのも良いものです。
ただ慌ただしく歩き回ったので、ゆっくりと楽しむ暇はなく、証拠写真を撮りに行ったような気がします。
家に帰ってから、写真を見て昔を思い出していました。
次回行く時はゆっくりとしたスケジュールにしたいと思います。
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