2/15に買ったA・C・クラークの"銀河帝国の崩壊"(原題:Against the fall of night)は17日には読了。
名作"都市と星"のオリジナル版とでも言えばいいのでしょうか。
クラークによれば"都市と星"が最終的な決定版らしいですが、こちらのほうも評価が高いようです。("楽園の日々"参照)
そういうわけで今回読んでみた訳ですが、"都市と星"をすでに読んでいたにもかかわらず、結構楽しめました。
基本的なストーリーはもちろんほとんど同じですが、量が少ない分(文庫本の厚みは半分くらい)展開が速くてぐいぐいと引き込まれていく感じが良いです。
決定版を先に読んでしまうと都市ダイアスパーの描写がもう少し欲しいところですが、
逆にそれがなくても問題ないことも分かります。
個人的には先に読んだ"都市と星"のインパクトには及びません(当然か)。
やはり決定版のほうがよいかな?
本作を書き始めたのは1937年(!)だそうですがまったく古さを感じません。
荒唐無稽なキャプテンフューチャーと同じ時代の作品というのが信じられない。
対して"都市と星"は1956年発表なので20年近く構想を練った結果ということですな。
その間の(現実の)科学的進歩を取り入れているため、決定版というのもうなずけます。
ただし、"銀河帝国の崩壊"はオリジナル版としての魅力もあり、先に読んでいたらこちらのほうがよいと思うかもしれない。
タイトルは(邦題、原題とも)オリジナル版のほうが好き。
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