「御帯・御裳・御衣・御褌。御冠。左右の手纒」
これだけの身に着けていたものを投げ捨てて、イザナギは、自分の身を「橘小門<タチバナノオドノ>」で
”禊<ミソギ>祓<ハラヒタマヒキ>"
されます。この部分を、「書紀」には、
”將盪滌身之所汚” 身之所汚<ミノケガレヲ>盪滌<ソソガ>將<シム>
と、書き表わしており、その服装までには言及しておりませんが、古事記では、このように、イザナギが着ていたすべてを投げ捨て、全裸になって、海水に入り、身に付いた穢れと一緒に着ていた服の全部も滌<ソソ>がれたと書いております。
なお、この<ミソギ>について、宣長は「古事記伝」で、「禊<ミソギ>は「身滌<ミソソギ>」で、「ソソグ」と言う意味で、書紀には、「盪滌<ソソガ>しむ」と書いてあり、また、この「ソソグ」は「すすぐ」と同じ意味として使われる場合もあるのだと書かれています。
更に、この「すすぐ」は「垢離<コリ>」と言う言葉とも関連があり、この<コリ>は「川降<カワオリ>」が詰まって出来た言葉で、「川に入って水を浴みて身を清める事≒水で身をすすぐ」ことから出来た言葉であるとも。