私の町吉備津

岡山市吉備津に住んでいます。何にやかにやと・・・

”帯にせる細谷川の音のさやけさ”

2017-01-13 18:08:28 | 日記

                

 この絵は、我が国の上代の人達が身に着けていた服装を描いたものです。それを証明している資料として、古事記にある「イザナギ」が黄泉の国から帰って後の禊の場面から分かります。そこには「御帯・御裳・御衣・御褌。御冠。左右の手纒」と記述されております。この一つづつを説明していきたいと思います

 まず、最初にある「御帯<ミオビ>」ですが、写真のように前で結んでいたようです。この「帯」ですが古今集にある

                   『真金吹く吉備の中山帯にせる細谷川の音のさやけさ』

 からでもわかるように、「帯」を「せる」させる事が当時の習わしであったのです。「せる」とは「垂れる」と言う意味です。

 この歌は、「帯を体の前で垂らし、蝶々結びに結んでいる丸い輪のように吉備の中山を取り囲んで流れている細谷川を流れ下るあるかないかのような幽かな音に限りない美しさを感じているよ」とぐらいの意味になります。

 さて、橘小戸で、イザナギは、先ず、自分の身に着けていた帯を外します。