私の町吉備津

岡山市吉備津に住んでいます。何にやかにやと・・・

造山古墳(3)その造営に係わった人数は???

2020-10-01 09:23:17 | 日記
 五世紀初めの350mの大古墳「造山古墳」が造られた場所は花崗岩地帯の丘陵の一部を取り組んだ、木製の道具では切り崩すことのできない、硬い岩盤地帯です。その工具としてはどうしても鉄製のものでなくてはなりません。その為の大量の鉄材の製造や工具の製造工場も必要です。それだけの最新の工人技術者もいたと推定されます。さらに、その築造指導者も、複雑な作業に必要な労働者の確保も必要になります。
 果たして、この古墳が完成までにどれだけの人数が必要だったかという報告書があります。それによると、埴輪製造のために必要な人数を8,700人、石室製造に係わる人数を5,000人など細かく算出して、造山古墳の完成までに要した延べ人数を、なんと

              ”150万人”

 と推定しています(「造山古墳造営費資産報告書」)
 この古墳が造られた当時の日本の総人口は、大体、4~500万人ぐらいと推定されていますから、この造営に係わった動員数が想像を絶する数であったことがお分かりいただけるのではないかと思います。
 この古墳のについて葛原克人氏は、更に
 「ちょうどそのころ吉備においては、どうしたことか他の中小首長層の墳墓の大多数がこれまで連綿と継続されつづけてきた前方後円墳の形をとらず、突如として大型の方墳へと変わる。」
 として、この墳墓の埋葬者が墳墓の形にすら己の墓と同じ形の墳墓を作らせない絶対の権力を掌握しておったことを物語ると、その人数の多さに付け加えてその権力の絶対性についても書かれています。