１４．砂浜

　学生服を来た男女が砂浜で座って海を眺めていた。
　男が砂浜に足跡がついている事に気付くと、指で砂浜に相合傘を書いて両サイドに名前を書いた。
　かなえ、かずお。照れくさそうにしていると、かなえは傘の上にLOVEと付け足した。
　かずおは更に顔を赤らめて、羽織っている学生服を脱いで海に飛び込んだ。
　ざぶっーん。
　全身ずぶ濡れである。だけど満足そうに笑うとかなえも「ばかぁ。」と言って一緒に笑った。
　「クション。」とクシャミを一回して、二人でずっと海を眺めていた。
　夕焼けが海に沈んでいく。海の波の音も素敵だった。
　静寂が流れた後、お互い軽いキスをした。
　生まれて初めてのキスである。お互いドキドキと胸が熱くなった。
　それに答えるかのように海の雫が砂浜の文字をゆっくりと消していた。
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