恋愛ブログ

世にも不思議な物語。
出会いの数だけドラマがある。
一日一話愛の短編物語。
〜ショートストーリー〜

16.猫

2009年08月20日 | 幻の恋
 満月の夜、家の周りでは猫の集会があっていた。
 月に向かって「にゃぁ。」「にゃぁ。」とうるさい。その声に目覚め、夜の散歩に行くことにした。
 外に出ると、夏の終わりの冷ややかな風が吹いていた。
 近くのコンビニで、オレンジジュースを買って、飲みながらブラブラと歩いた。
 山の側までやってきた。山の奥の方でボンヤリと明かりが見えた。
 祭りでもあっているのだろうか。
 ドンドンという音の方へと行くと、裸の女達の姿があった。
 太鼓を囲み、二十人くらいいた。全身黒っぽい網タイツを履いて、上半身裸で、乳房が出ていた。
 顔は仮面で隠している女もいたが、隠してない女もいる。
 顔は絶世の美女ばかりで、スタイルも良かった。私が何も言わず見とれていると、仮面の女が手招きをした。
 「あら、珍しい、人間じゃないかい。」吸い込まれるように仮面の女の胸の辺りに顔がいった。
 「いい男だね。」モデルのような女がムチを持って近寄ってきた。いつの間にか、全員女がよって来て抱きついてきた。
 頬を寄せる女もいれば、体を触っている女もいる。
 気持ちが有頂天に達した。
 太鼓の音が止み、月が雲に隠れると、女達は小さくなり、猫に変身した。
「にゃぁ。」「にゃぁ。」と猫の大群が月見て鳴いている。
 私の姿を見ると、山の方向へ跡形もなく消えていった。
 次の日、「昨日さ。いい女の集団が山の中にいてよ。あんな事やこんな事をしてくれたんだぜ。」
 「お前、悪い夢でも見たんじゃないか。」
 「やっぱり夢だよな。」友達に話しかけていると、家の塀を歩いている猫が、私の方を見て、「にゃぁ。」と手招きしているように見えた。
☆人気blogランキングへ☆
 
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 15.ダンシングサマー | トップ | 17.男のロマンス »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
進化?してるね ♪ (ぽゆ子)
2009-08-21 11:27:57
ギリギリの表現?で
でもきちんと品格保って見事ですね~
さすがキーボーさん♪

確かに猫のあの声って
ちょっとセクシーだったり
攻撃的だったり。

と思っていると
裏の家でストレス溜まったワンコの叫びが
今日もまた
・・・。

人間さんとアニマルの
心って意外と

近くにあるものかも知れないね。

進化し続けるキーボーさんの作品に
今後も期待大!ですね♪

掲示板みたいなところに掲載すると
反響大きいのでは?
あと、小説投稿サイトとか。
是非、あなたの傑作を世に送ってね^^v
返信する
猫。 (kibooo)
2009-08-23 02:02:33
 女の子って猫みたいですよね。

 猫なで声を出す時もあるし、猫を被るとも言いますし、ジャレルのなんか猫そのものです(笑)
 私の場合は、想像ですが。

 今忙しいので、猫の手も借りたいです(笑)

 
返信する

コメントを投稿

幻の恋」カテゴリの最新記事