１７．女子高生

　携帯を首からだらしなく下げて、ミニスカートを履き、ルーズソックスがブカブカとずれ落ちている。公園の広場でいつもの様にトオルと会う約束をしていた。
　「超だりー。まだ来ねぇのかよ」マリは退屈そうに空を見上げて呟いた。トオルとは、友達の紹介で知り合った。前はカラオケ屋で働いていたが、店長が変わって、よく怒られるようになってからは辞めて、今は飲み屋で働いている。
　小心者な所がある。歳は、七つ離れていた。私が十八でトオルが二十五だった。
　飲み屋に行くといつも笑顔で迎えてくれる。そういう所が好きなんだ。
　髪はロングの茶髪で少しパーマをかけて、いつも赤色のバンダナをしている。店の中に入ると音楽はいつもラップ系のノリがいい曲がかかっていた。私もラップが好きだから、気が合ったのだ。
　「ごめん。待った？」車のウィンドウを開けて、大きな声で叫んでいた。車はアメ車の大きな車に乗っていた。私の為にローンで買ったみたいだった。留学して、金持ちになるという話しもしていた。アメリカが好きで好きでたまらない感じだった。私は夢を語っている時のトオルの表情が大好きでギュッとしたくなるんだ。
　私もアメリカについて行きたいけど、トオルは来るなと言っていた。何でだろう。女はウザいのだろうか。
　「超待ったよ。早くどっかいこう」急いで車に乗り込んで、隣に座った。フカフカのすわり心地だった。音楽はヤッパリノリノリの曲だった。アメ車にはぴったり。
「どこ行こうか？」
「カラオケは？」
「いいね」
「キマリー」ガッツポーズをした。首から下げていた携帯が落ちそうになった。カラオケ屋に入ると二人でいっぱい歌った。私はアユの歌を歌った。トオルは、ラップ系のドラゴンアッシュとかだったけど。超楽しかった。
　いいムードになり、朝までカラオケ屋にいたんだ。超ラブラブだった。