Nに彼氏がいるのが分かった。授業中、ゴキブリの話しが出て、なぜ、ゴキブリの話しになったかは分からないが。Nの彼氏の家もゴキブリが出て大変だという話しになった。心の中では、やっぱり彼氏がいたんだ。彼氏。彼氏。彼氏。頭でこだました。目の前が真っ白になった。砂漠で一人取り残されたらこんな気持ちになるだろうなと考えた。ショックで言葉にならなかった。こういうことなら、ゴキブリの話しなんてしなければ良かった。
一日中落ち込んでいた。授業でも暗かった。
その日の夜、電話で彼氏のことを聞いた。三十歳の彼氏で、飲み屋をしてるそうで、借金が何百万とあると言っていた。ヤクザから逃げる為に夜逃げをするという話しも出ていた。
本当にゴキブリのような男ではないか。Nはだまされているのではないか。とても心配で、更に眠れない日が続いた。Nのことも心配だが、彼氏のことは、もっと心配だ。しっかりと支えてやれよ。彼氏なんだろ。彼女の為にがんばれよと思った。
こんなに考えさせてNは私にいったい何を求めているのだろうか。
Nが三十歳の彼氏と出会ったのが飲み屋。場所として最悪だ。友達と一緒に飲み屋に行ったのだった。その子は、バイトを探していて一軒の飲み屋にたどり着いた。
名前は「ハルマゲドン」いかにもつぶれそうな名前だった。店長は気前よくご飯を食べさせ、誕生日をNに聞くわけである。店長の車のナンバーと同じだった。Nは運命的な出会いと思った。
それからというもの夜中に家を飛び出し、飲み屋に毎日通うようになる。昼は歳が離れているから会えない、近所の人達からも変に思われるから夜にしか会えない。Nはロミオ&ジュリエットと言った。かなり運命的な出会いだと思ったのだろう。
ロミオ&ジュリエットの結末は、Nは知っているのだろうか。二人とも死んでしまうんだよ。本当に今の彼氏でいいのか。二人の結末は幸せであってほしい。心から願った。
Nは彼氏の店を手伝い、親からも気にいられ、飲み屋のおかみさんになったつもりだった。お客さんからも若くて美人なおかみさんもらえてよかったなと冗談まじりに言われ、うれしかったと言っていた。もうすでに家族の一員だった。
私も話を聞いてほのぼのとした。お金ではなく、顔でもなく、人の心を好きになる人をはじめてみたので、ある意味では新鮮だった。話しを聞いて私はますます好きになったのだが。
それから半年後、肉体関係を結んだことをうれしそうに話した。
「先生、生まれて初めて、本当に好きな人とと関係を持った」私は心の中で泣き叫んだ。涙で、心が濡れた。
「よかったね。うれしいよ」Nは人に言えない過去があった。暗い夜道で三人の男からレイプされたのだ。だから、彼氏に関係を半年間もゆるさなかった。生きる意味が分からず、何度かリストカットもしたらしい。
私は、それを聞いた時、とても悲しかった。人にも言えず、親にも言えず、友達にも言えなかった。気持ちを考えると胸が痛かった。私にはどうすることも出来ない。一生心の傷が残っているだろう。
そんな身も体もボロボロの時に彼氏に出会ったと言っていた。
夜の街の大人は、みんな優しい。どこかの先生が言っていたのを思い出した。
実際、本当に目的もなく優しくしたのかもしれないけど、下心はみえみえのような気がした。ボロボロの時に優しくされたら、変な男にでもついていくような気がする。
ある意味では、飲み屋の店長でよかったと思うようにもなった。やさしいし、面白いし、気前がいい。いい彼氏にめぐりあってよかったと思えるようになった。
だけど、いまひとつ腑に落ちないのはなんでだろうか。私が好きだからなのか。Nだけは幸せになってほしいと心の底から祈った。
一日中落ち込んでいた。授業でも暗かった。
その日の夜、電話で彼氏のことを聞いた。三十歳の彼氏で、飲み屋をしてるそうで、借金が何百万とあると言っていた。ヤクザから逃げる為に夜逃げをするという話しも出ていた。
本当にゴキブリのような男ではないか。Nはだまされているのではないか。とても心配で、更に眠れない日が続いた。Nのことも心配だが、彼氏のことは、もっと心配だ。しっかりと支えてやれよ。彼氏なんだろ。彼女の為にがんばれよと思った。
こんなに考えさせてNは私にいったい何を求めているのだろうか。
Nが三十歳の彼氏と出会ったのが飲み屋。場所として最悪だ。友達と一緒に飲み屋に行ったのだった。その子は、バイトを探していて一軒の飲み屋にたどり着いた。
名前は「ハルマゲドン」いかにもつぶれそうな名前だった。店長は気前よくご飯を食べさせ、誕生日をNに聞くわけである。店長の車のナンバーと同じだった。Nは運命的な出会いと思った。
それからというもの夜中に家を飛び出し、飲み屋に毎日通うようになる。昼は歳が離れているから会えない、近所の人達からも変に思われるから夜にしか会えない。Nはロミオ&ジュリエットと言った。かなり運命的な出会いだと思ったのだろう。
ロミオ&ジュリエットの結末は、Nは知っているのだろうか。二人とも死んでしまうんだよ。本当に今の彼氏でいいのか。二人の結末は幸せであってほしい。心から願った。
Nは彼氏の店を手伝い、親からも気にいられ、飲み屋のおかみさんになったつもりだった。お客さんからも若くて美人なおかみさんもらえてよかったなと冗談まじりに言われ、うれしかったと言っていた。もうすでに家族の一員だった。
私も話を聞いてほのぼのとした。お金ではなく、顔でもなく、人の心を好きになる人をはじめてみたので、ある意味では新鮮だった。話しを聞いて私はますます好きになったのだが。
それから半年後、肉体関係を結んだことをうれしそうに話した。
「先生、生まれて初めて、本当に好きな人とと関係を持った」私は心の中で泣き叫んだ。涙で、心が濡れた。
「よかったね。うれしいよ」Nは人に言えない過去があった。暗い夜道で三人の男からレイプされたのだ。だから、彼氏に関係を半年間もゆるさなかった。生きる意味が分からず、何度かリストカットもしたらしい。
私は、それを聞いた時、とても悲しかった。人にも言えず、親にも言えず、友達にも言えなかった。気持ちを考えると胸が痛かった。私にはどうすることも出来ない。一生心の傷が残っているだろう。
そんな身も体もボロボロの時に彼氏に出会ったと言っていた。
夜の街の大人は、みんな優しい。どこかの先生が言っていたのを思い出した。
実際、本当に目的もなく優しくしたのかもしれないけど、下心はみえみえのような気がした。ボロボロの時に優しくされたら、変な男にでもついていくような気がする。
ある意味では、飲み屋の店長でよかったと思うようにもなった。やさしいし、面白いし、気前がいい。いい彼氏にめぐりあってよかったと思えるようになった。
だけど、いまひとつ腑に落ちないのはなんでだろうか。私が好きだからなのか。Nだけは幸せになってほしいと心の底から祈った。
相手の人に対して、幸せを願う気持ちと、嫉妬の気持ちが入り混じる。しかも素直に突っ走れない立場であること.....わかりすぎます!私だって、色々経験ありますもの.....。
「『ハルマゲドン』いかにもつぶれそうな名前」等、所々笑えるところもあって、この先楽しみです。また書きます!
好きな人には本当に幸せになってもらいたいです。日本中いえ世界中どこにいても、心から願うばかりです。
読んでくれて感謝感激。
相手を知り切なく思いつつも、相手のことを思いやる貴方な心に共感を感じました・・・。
今仕事中の為(もう30分で夜勤だった為、開放されますが)、ここまでしか読めませんが帰宅して続きを拝見させていただきたいと思います。なんだろ、昨年の記事なので今では大分状況が変わっているのかもしれませんが、貴方にとってもNさんにとっても今現在が楽しいものになっているといいな、と素直に思います。
夜明けの何ともせつない光とつめたい風が身に沁みますね。
Nさんとなかなか会えないので、幸せになってくれたら本当にうれしい限りです。
生きてさえいれば幸せはきっと見えてくるものだと思います。
女子高生と恋愛は事実で、後の物語は半分は事実で半分は空想だという事を理解して読んでください。
何かと面白かったと言って、読んでくれた方の恋愛の応援が出来ればうれしく思います。