俺は、今年で五十歳だ。いい年こいて、何だけど、人生くいはねぇ。仕事も道路に穴を掘る仕事だけれども、とても満足している。
真夏の暑い日に掘る穴は死ぬほど暑い。想像もつかないくらいに暑い。ジリジリと照りつける太陽とフライパンのような道路、二つ仲良く揃ったら、そりゃ暑いだろう。
暑い道路を掘っているとなマボロシっていうか、蜃気楼というか。夢みたいな出来事がたまにあるのよ。どうだ。知りたいだろう。教えてやろう。
あれは、夢のような出来事だった。うだるような暑さで、目の前が真っ暗になり、俺は倒れたんだ。
目を開けると知らぬ間に穴を夢中で掘っていた。どこまで続くのか分からない。無我夢中で掘っていた。監督もいない。周りの連中もいない。ただ、俺一人で、穴を掘っていた。
すると、ガきっと音がしたんだ。穴の終着駅というか。たどりついたというのか。一つの部屋にたどりついたんだ。そこには、ぬいぐるみがあって、ピアノがあって、ベットがあって、女の子の部屋みたいな所にたどりついたんだ。
部屋に入っていくと、ピアノが勝手に鳴り出した。不思議だったな。ピアノが鳴り出したあとくらいに、女の子がドアから入ってきて、ゴンベエさん遊びましょうと言うんだ。なぜ俺の名前を知っているのか不思議だったが、そんな事よりも、女性は美しかった。
この世の中にこれほど美人な人はいないだろうと思うくらい美人だった。白いドレスを着て、綺麗な大きい瞳で私を見ていたんだ。ちょっと、照れてしまってな。最近女性から優しく話しかけられたことがなかったから、そりゃうれしかった。
お茶を出してもらったり、ピアノを弾いてもらったりして、時間が過ぎていった。
私が帰ると言い出したら、大声で泣き出してな。辛くなって、こっちまで泣いたのよ。久しぶりに泣いたな。小学校の時以来か。二人大声で泣いて、泣いて、声が出なくなるまで泣いたのよ。不思議とその子の前では自然と泣けた。遠い昔に会ったことがあるのかもしれない。
私との思い出にと言って指輪をくれたんだ。赤い指輪。子供のおもちゃみたいな指輪だったな。その指輪をもらった瞬間、目が覚めたんだな。道路の隅っこの木の下で目が覚めたんだ。
頭には、氷が乗っていた。まわりを見渡すと監督もいて、仲間もいたんだ。日射病で、倒れていたんだ。全部夢だったんだ。がっかりした。
あんないい女はさすがに夢でしか拝めないって事だなと思っていたが、木の下で休んでいる俺に話しかけてくれた女性がいてな。
「ゴンベエさんでしょ。大丈夫?」女性は微笑んだ。俺はびっくりしちまってな。目も真ん丸くなっちまった。夢ででてきた彼女だったんだものよ。後から聞くと、現場監督の娘さんだったらしくてな。
それから、時間が経って、白いドレスを着て、赤い指輪を交換したのは言うまでもないかな。
真夏の暑い日に掘る穴は死ぬほど暑い。想像もつかないくらいに暑い。ジリジリと照りつける太陽とフライパンのような道路、二つ仲良く揃ったら、そりゃ暑いだろう。
暑い道路を掘っているとなマボロシっていうか、蜃気楼というか。夢みたいな出来事がたまにあるのよ。どうだ。知りたいだろう。教えてやろう。
あれは、夢のような出来事だった。うだるような暑さで、目の前が真っ暗になり、俺は倒れたんだ。
目を開けると知らぬ間に穴を夢中で掘っていた。どこまで続くのか分からない。無我夢中で掘っていた。監督もいない。周りの連中もいない。ただ、俺一人で、穴を掘っていた。
すると、ガきっと音がしたんだ。穴の終着駅というか。たどりついたというのか。一つの部屋にたどりついたんだ。そこには、ぬいぐるみがあって、ピアノがあって、ベットがあって、女の子の部屋みたいな所にたどりついたんだ。
部屋に入っていくと、ピアノが勝手に鳴り出した。不思議だったな。ピアノが鳴り出したあとくらいに、女の子がドアから入ってきて、ゴンベエさん遊びましょうと言うんだ。なぜ俺の名前を知っているのか不思議だったが、そんな事よりも、女性は美しかった。
この世の中にこれほど美人な人はいないだろうと思うくらい美人だった。白いドレスを着て、綺麗な大きい瞳で私を見ていたんだ。ちょっと、照れてしまってな。最近女性から優しく話しかけられたことがなかったから、そりゃうれしかった。
お茶を出してもらったり、ピアノを弾いてもらったりして、時間が過ぎていった。
私が帰ると言い出したら、大声で泣き出してな。辛くなって、こっちまで泣いたのよ。久しぶりに泣いたな。小学校の時以来か。二人大声で泣いて、泣いて、声が出なくなるまで泣いたのよ。不思議とその子の前では自然と泣けた。遠い昔に会ったことがあるのかもしれない。
私との思い出にと言って指輪をくれたんだ。赤い指輪。子供のおもちゃみたいな指輪だったな。その指輪をもらった瞬間、目が覚めたんだな。道路の隅っこの木の下で目が覚めたんだ。
頭には、氷が乗っていた。まわりを見渡すと監督もいて、仲間もいたんだ。日射病で、倒れていたんだ。全部夢だったんだ。がっかりした。
あんないい女はさすがに夢でしか拝めないって事だなと思っていたが、木の下で休んでいる俺に話しかけてくれた女性がいてな。
「ゴンベエさんでしょ。大丈夫?」女性は微笑んだ。俺はびっくりしちまってな。目も真ん丸くなっちまった。夢ででてきた彼女だったんだものよ。後から聞くと、現場監督の娘さんだったらしくてな。
それから、時間が経って、白いドレスを着て、赤い指輪を交換したのは言うまでもないかな。
今までいい男を目指して来た事が無駄ではなかったかなと思いました。これからもふとした瞬間の恋のお話しを書いていきたいので、応援よろしくお願いします。