ピーポー。ピーポー。頭の中で救急車のサイレンが鳴り響いている。信号機が赤でもお構い無しに夜の街を走っているようだ。
田川義三は工事現場で働いていた。
若い兄ちゃんがアルバイトで入って来て、一緒に飯を食べている時「おめぇ彼女でもいるんか。」と聞いた時からの記憶が無かった。
それから、なぜか河の辺に来ていた。
河の砦の所には大きな古い看板が立っていて、掟が書いてある。
「今から流れて来る舟に乗り込み、3つの掟をクリアーしなければならない。
*何があっても振り返ってはならない。
*けして名前を呼んだらいけない。
*舟から落ちてはいけない。以上。」それを見ていると、目の前が薄っすらと白い霧が周りを包んだ。
それから誰も乗っていない小さな舟が流れてきた。義三は看板の文字の通り、舟に乗り込み、三つの掟が何の事なのか分からないまま、仕方なく従う事にした。
穏やかな河の流れを進んでいくと、第一の河という看板が見え、霧があっという間に消えると、美しい緑の樹木が周りを包んだ。
遠くから小鳥もさえずり、鹿やキリン、像が目の前を通っている。
まるでお伽の国に来ているようだ。
後ろの方から「義三」と声がした。それは、遠い昔に聞いた母親の声だった。
子供の頃病気をした時に、おんぶして病院を一軒一軒尋ねてくれた事を思い出して、涙が溢れた。
「かぁちゃん。」懐かしい気持ちで胸がいっぱいになり、振り返りそうになったが、看板に書いてあった事を思い出した。
どんな事があっても振り返ってはならない。
段々と声が近づいて来たが、けして振り返りはしなかった。額と手にじっとりと変な汗が出ていた。
次に聞こえて来たのは、昔現場で一緒だった同僚の声だ。
「オメェもついに来たか。オラと一緒に酒を飲もう。女なんていくらでもいるさ。」誰も乗ってないハズの舟に後ろで叫んでいる。音楽が流れて来て、女の声もする。
「どうだ。」確かに同僚の声だった。女癖が悪くて手に負えなかったが悪いやつじゃなかった。肩に手が伸びている様な感じがして、同僚の名前を呼ぼうとしたが、グッとこらえた。
ここではけして名前を呼んだらいけない。
一時そんな事を繰り返していると、またボやっと霧がかかりはじめ、第二の河と書いてある看板が見えた。
今度は勢いよく河の流れが速くなり、滝のような津波が前の方から押し寄せてきた。義三は波を除けるが中々治まらない。
その時、急に雷が鳴り響き舟を襲う。義三は舟を必死で掴み、「負けてなるものか。」と唸る河に向かって叫んだ。
お構い無しに水しぶきが義三を襲う。
舟が揺れ、回転し何度も落ちそうになったがここでは、舟から落ちてはダメなのだ。
こんな事は、工事現場で鉄筋を運ぶよりも簡単な事だと強気で思ってみた。
そういえば、現場はどうなったのだろうか。あれから何でこんな所にいるのだろうか。と考えていると、また霧がかかり、空の方から一筋の光が見えて来た。
「義三さん。」目の前に飛び込んできたのは、妻の佳代の顔だった。
「ここは。」周りを見渡して、うつろな声で言った。
「病院よ。あなた現場で鉄筋コンクリートが落ちて来て、大変だったのよ。」佳代はベッドで泣き出した。
「そうか。なんだか懐かしい夢を見ていたよ。」あれが三途の河なのかどうかは分からないが、死んだ母親や同僚の為にも義三はまだ生きたいと願った。
☆人気blogランキングへ☆
田川義三は工事現場で働いていた。
若い兄ちゃんがアルバイトで入って来て、一緒に飯を食べている時「おめぇ彼女でもいるんか。」と聞いた時からの記憶が無かった。
それから、なぜか河の辺に来ていた。
河の砦の所には大きな古い看板が立っていて、掟が書いてある。
「今から流れて来る舟に乗り込み、3つの掟をクリアーしなければならない。
*何があっても振り返ってはならない。
*けして名前を呼んだらいけない。
*舟から落ちてはいけない。以上。」それを見ていると、目の前が薄っすらと白い霧が周りを包んだ。
それから誰も乗っていない小さな舟が流れてきた。義三は看板の文字の通り、舟に乗り込み、三つの掟が何の事なのか分からないまま、仕方なく従う事にした。
穏やかな河の流れを進んでいくと、第一の河という看板が見え、霧があっという間に消えると、美しい緑の樹木が周りを包んだ。
遠くから小鳥もさえずり、鹿やキリン、像が目の前を通っている。
まるでお伽の国に来ているようだ。
後ろの方から「義三」と声がした。それは、遠い昔に聞いた母親の声だった。
子供の頃病気をした時に、おんぶして病院を一軒一軒尋ねてくれた事を思い出して、涙が溢れた。
「かぁちゃん。」懐かしい気持ちで胸がいっぱいになり、振り返りそうになったが、看板に書いてあった事を思い出した。
どんな事があっても振り返ってはならない。
段々と声が近づいて来たが、けして振り返りはしなかった。額と手にじっとりと変な汗が出ていた。
次に聞こえて来たのは、昔現場で一緒だった同僚の声だ。
「オメェもついに来たか。オラと一緒に酒を飲もう。女なんていくらでもいるさ。」誰も乗ってないハズの舟に後ろで叫んでいる。音楽が流れて来て、女の声もする。
「どうだ。」確かに同僚の声だった。女癖が悪くて手に負えなかったが悪いやつじゃなかった。肩に手が伸びている様な感じがして、同僚の名前を呼ぼうとしたが、グッとこらえた。
ここではけして名前を呼んだらいけない。
一時そんな事を繰り返していると、またボやっと霧がかかりはじめ、第二の河と書いてある看板が見えた。
今度は勢いよく河の流れが速くなり、滝のような津波が前の方から押し寄せてきた。義三は波を除けるが中々治まらない。
その時、急に雷が鳴り響き舟を襲う。義三は舟を必死で掴み、「負けてなるものか。」と唸る河に向かって叫んだ。
お構い無しに水しぶきが義三を襲う。
舟が揺れ、回転し何度も落ちそうになったがここでは、舟から落ちてはダメなのだ。
こんな事は、工事現場で鉄筋を運ぶよりも簡単な事だと強気で思ってみた。
そういえば、現場はどうなったのだろうか。あれから何でこんな所にいるのだろうか。と考えていると、また霧がかかり、空の方から一筋の光が見えて来た。
「義三さん。」目の前に飛び込んできたのは、妻の佳代の顔だった。
「ここは。」周りを見渡して、うつろな声で言った。
「病院よ。あなた現場で鉄筋コンクリートが落ちて来て、大変だったのよ。」佳代はベッドで泣き出した。
「そうか。なんだか懐かしい夢を見ていたよ。」あれが三途の河なのかどうかは分からないが、死んだ母親や同僚の為にも義三はまだ生きたいと願った。
私、やり残した事が沢山あるので、まだまだ死ねないですけど、こればっかりはわかんないですからねー(笑)
今出来る事を精一杯して、悔いを残さないよーにせねばっ!
バイト?
サンタクロースです(笑)
それで私は生きていけます(笑)
私も悔いを残したくないですが、いつでも残ってしまいます。
特に恋の事となると気が引けてしまいます。
今まで、片想いばかりしていて嫌になります。
どうしてこう実らないのでしょうか。
恋愛ブログみたいに全てうまく行けばいいのですけどね。
りんさんは、本当にサンタクロースですか?
私にプレゼントを持って来てくださいね。
待ってます。
もしかしてその時、他の出逢いがあったかもしれないのに…
昔の事考えるのって、今がもったないない気がするから最近は考えないよーにしてます。
今を生きましょうよ(笑)
プレゼント待ってて下さいね☆
私とキーボーさんが逢えたら、それってすごい奇跡ですよね♪♪
顔も名前も知らないのに出会えたら奇跡ですよね。
昔の事は、昔の事ですから、今を生きましょう。
時々哀しくなりますけどね。
リンサンと家が近かったらいいのになと少し思いました。
クリスマスイブに煙突を掃除してまってます。
枕元には靴下を置いて。