恋愛ブログ

世にも不思議な物語。
出会いの数だけドラマがある。
一日一話愛の短編物語。
〜ショートストーリー〜

8.恋の始まり

2009年03月12日 | 語る恋
 恋の始まりの第一段階は、いい男がいい女に視線を送る。
 それで気に入れば相手も視線を返す。
 向こうが嫌ならば目で合図をする。
 「あなた私のタイプじゃないわ。」テレパシーで察すると男は黙って背中を向けて去っていく。
 それが上手くいけば、次に話せるというステップに移る事が出来る。
 恋には、話す事がとても大事だ。
 話し合い語る事で、相手の趣味や嫌いな事を聞きだす事が出来る。
 「私、どうしてもニンジンが嫌いなの。」彼女の可愛い声も聞けて満足するだろう。
 恋の第二段階は、手を握る。
 腕を組んでも良い。
 街を歩いていると、彼女が「寒い。」と言って腕を絡ませて来た時はチャンスだ。
 ごく自然と腕を組み返すがベスト。
 ここまで来れば、破裂しそうな胸の高鳴りは、穏やかになる事だろう。

 第三段階になると、お互いの性格や、相性などが分かり、おでことおでこが重なり、唇と唇が餌を食べる魚の口のようにくっつき始めるだろう。
 人間の欲望だけでなく、ロマンスを忘れるな。

 最終段階は、体と体。
 ここまで来れば言うことはほとんどない。
 相性が合えばいいだろう。頑張れ。

 最終段階の後か前かは分からないが、心と心が触れ合うという事が一番大事なのではないだろうか。
 魂と魂という言い方をすれば、最初から触れ合っている気がするが、男女というものは不思議なものだ。
 
 私は、浅はかなのでいつも考えてしまう。
 
 アキラとリエコは、まだ恋の始まりのようだ。
 アキラが引っ越し屋のアルバイトをしている時、その配達先がリエコの部屋だった。
 ピンポーン。
 「はーい。」と明るい声が聞こえた。
 「お届け物ですが。」とアキラが言うと、ガチャとドアを開け、リエコが出てきた。
 エプロン姿で、若奥様のような感じだ。ジャガイモの煮たいい香りが漂ってきた。
 「こことここに判子を押してもらっていいですか。」荷物についていた用紙を引きちぎり渡した。
 ただ判子をもらうその一瞬の出来事なのに時間が止まっているように感じる。
 判子を押してもらった用紙をもらい、「ありがとうございました。」と言って一礼をして帰る。
 恋の第一段階終了。
 アキラは、恋の第二段階へと行くことができるのだろうかと思った。
 
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