なんばパークスシネマは盛り上がってます
もちろん「アンデッド愛しき者の不在」ではありません
そう!ガンダムです
フロアはグッズを買う人や飲食物を求める行列で凄い熱気です
前作のガンダムの封切り日もこんなんでしたね
私は打って変わって静かにパラパラとした入りのシアター3に入りました
停電がキッカケで死んだ人が生き返る現象があちらこちらで起こる
幼き子供を亡くして失意のどん底のシングルマザーとその父親、同性のパートナーを亡くし葬儀を終えたばかりの老女、妻が事故に会い病院に駆けつけたら妻は亡くなっていて、呆然とする夫と子供達…いずれも死者は蘇りそれぞれの元へ
そんな大切な誰かを亡くした三つの家族の前に現れる、生き返った死者とのドラマが描かれます
この作品は98分なのに死者が生き返るまでがまるで120分超えの作品くらい物凄くゆっくりしたテンポで話が進むんですね
しかも暗く冷たい色調で淡々と
エンタメなムードは全くなく、この前半のテンポに耐えれるかどうか…が分かれ目(笑)
大切な人の死を受け入れられない時にその人が生き返って戻ってきたら…
例えそれが死体だった状態のままで話す事もせず反応もまともにしなくても受けいれられるかどうか…
と言ったテーマの作品
最初は3家族とも最初は喜ぶんだが、時間が経つにつれ、抜け殻のようでしかも腐敗でハエが集ってくるような姿はやはり生者でない違和感が出てくる
少年の祖父はラジコンカーで生前のように遊ぼうとするが全く反応のない孫にキレてしまう
老女は食事を取らせようと口に料理を押し込むが噛まれそうになる
事故死から蘇った妻に子供のペットのうさぎを抱かしたら、もの凄い力で握り潰そうとする
やはり姿や形がそこにあってもそこに"魂"が無ければ生きていると言えない…それぞれの人達が悲劇と共にそれに気づいて行くと言う最後まで冷たく重い映画
それ故に少年の母親の決断も当然ですね
死者が蘇ると言う点では「ペットセメタリー」と言うスティーブンキング原作のホラー映画を彷彿させるが、あちらの方はエンタメなホラー映画しながらも、恐ろしくも悲しいドラマを見せてくれた傑作ですが、こちらはひたすら暗く悲しみだけが充満した作品
好き嫌いが分かれる作品でもあります
現に私の後方で見てた若手カップルの終演後の感じが、"こんなん見に来たんと違う"感の雰囲気が出てましたから(笑)
ちょっとしんどい作品だが、テーマとしては冷たく重い作風は北欧の映画らしく良かったと思います
ただ少年の祖父の前に現れたアレは要らんと思いました
中途半端にゾンビ映画になったようで…
後、「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」でも歌われたシャンソン「行かないで」が途中流れます
この映画にぴったりでした
★★★ 2024.1.27(金) なんばパークスシネマ シアター3 21:00 G-13