アガサ・クリスティー原作の「ナイルに死す」の映画化作品
映画を見てから原作を読みましたが映画が原作に忠実に描かれてるような印象を持ちましたね
映画を先に見てたからあのトリックが活字でも理解出来て分かりやすかった
中学生だった当時の私には活字だけなら多分理解するのに苦労したと思いますわ
で、映画はポワロ役のピーター・ユスティノフ始めオールスターキャストでまさに正月映画に相応しいゴージャスな作品でした
殺人事件が起こるシーンまで1時間くらいかかってしまいますが、その事件が起こるまでの1時間がとても大事になってくる…てのが解決してから分かって思わずなるほど〜!と唸りました
クライマックスでポアロが犯人の名前を告げた瞬間前の座席のおじさんが「うん?」と首を捻って唸ったのが懐かしく思い出される
意外な犯人と言うより不可能犯罪のトリックが秀悦でなかなかの伏線の張り方が上手いです(一か八かなバクチ的な部分もあるが)
ジョン・ギラーミンもこんな作品撮れるんやー(笑)
「オリエント急行殺人事件」のアルバート・フィニーより私はピーター・ユスティノフのポワロが好きですね
どことなく暖かみのあるポアロはこの作品にぴったりです
ミア・ファロー扮するジャッキーに同情から来る忠告をするシーンはこの作品でのポアロ像を表しているように思います
以後ピーター・ユスティノフのポアロ作品がいくつか作られます
シリアスな中にユーモアのようなものが感じられる作風はこの作品から始まりますね
クラシックなミステリー調な雰囲気は推理小説好きだった当時の私はまさにどストライクでしたし、クライマックスの主要人物を集めてポアロの謎解きスピーチのスリルは圧巻です
しばらくアガサ・クリスティーにはまるほど影響を受けた作品です
サンディ・オニールが歌う日本版イメージソング「ミステリーナイル」がこれまた良い曲なんです
テレビCMの予告編に使われてまして映像と曲が合っていて印象が強く残っています
日本劇場公開本編ではエンドロールに流れますが、残念ながらテレビ放送並びに発売されてるソフトにはニーノ・ロータ作曲によるオリジナルのテーマ曲が流れるだけです
当時の劇場公開されたミステリーナイル入りの復刻劇場公開版を是非ブルーレイ辺りで再現して貰いたいもんです
その時は田中明夫さん=ポアロによる日本語吹き替え版も入れて…