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KissDに較べて、KissDN・KissDXは双子と見間違うくらい似ていて、そして非常に小型・軽量に設計されている。キットについている標準ズームも非常にコンパクトなので、女性でも片手でひょいと持ち上げることができるだろう。
KissDXはキヤノン初の、イメージセンサークリーニング機能が搭載された。デジタル一眼はレンズ交換できるのが最大の利点だが、その反面、レンズ交換時に細かいゴミがミラーボックス内に侵入するのが避けられない。そのため最悪の事態として、センサー表面にゴミが付着してしまい、画像に点が写ってしまう。
この問題を初めに解決したのはオリンパスだが、キヤノンも今回、これに対しての回答を出してくれるに至った。この効果が十分実用になるものなら(期待していいだろうが)、今までよりもいっそう、レンズ交換というものをしてみたくなるだろう。
超広角レンズで広大な風景を、望遠ズームで運動会を、マクロレンズで可憐な花を、など目的がはっきりしていれば、そういうレンズを購入すれば一番楽しめる。ただ交換レンズはさらに数万円の出費を必要とすることが多く、試しに、という価格ではない。お友達にレンズ持ちがいれば、ちょっと借りてみるのもいいかもしれないが。
交換レンズで比較的廉価なのは、サードパーティー製(シグマやタムロンなど)のレンズで、よく選択すれば1-2万円でも非常に高性能なレンズが存在する。しかしキヤノンの標準ズームキットを購入した方に試していただきたいのは、あえてキヤノン純正の、EF 50mm F1.8IIである。
EF 50mm F1.8IIはズームがまだ少なかったころの、昔でいう標準レンズである。1960-70年代前半に一眼レフを購入するならば、この50mm F1.8程度のレンズを最初に買ったものだ(当時は標準レンズ付きキットなどなかったから)。
画角こそキヤノンのAPS-Cセンサーでは画角80mmという、ちょっとした望遠域に入ってしまうが、人物のポートレートを撮るのに最適なレンズであり、ちょっと離れることを意識すればスナップ撮影にも十分対処できる。ズームレンズではないことから、構図を決めていくのにかなり自分自身が移動しなければならないが、その分写真の勉強になるといわれるのが、こういった単焦点レンズである。
写真の勉強と、というと堅苦しく感じてしまうが、このレンズの利点はいくつかあり、それを列記してみよう。
・非常にコンパクトで、KissDXに装着しても、殆どレンズの重さを感じない程度。
・開放F値1.8は、ズーム全盛の時代で、信じられない明るさ。
・実売価格8000円程度と、キヤノン純正レンズなのに最廉価。
このレンズの見た目は玩具のようで、大丈夫か?、といったような面持ちである。しかし絞り開放付近からシャープな画像を結ぶので、ちょっと暗い場所でもどんどん絞りを開けて撮ったらよい。この画角でF1.8に設定すれば、そのボケ味は標準ズームで到達できない領域であり、デジタル一眼の大きなセンサーの恩恵を十分享受できることうけあいである。コンパクトデジカメとの差が認識できる。もっともこのレンズはキヤノンのレンズ開発の原器となっているくらいなので、性能のよいのは当然なのだが。
レンズを付けた状態で、カバンでもどこでもしまえる一眼というのは珍しい。これより上位のレンズにはEF50mm F1.4USM、さらにその上に1.2というのもあるが、どんどんと巨大化するし、1.4で4万円台、1.2に至っては、なんと20万円以上!するのだ。少なくともちょっと試しに、という価格ではない。
その点EF 50mm F1.8IIならば、大型量販店でKissDXキットを購入したかたならば、そのポイントと使っても購入できる価格だ。
作例はKissDN + 50mm F1.8で、自宅の近所を歩きながらの何気ないスナップである。お天気が良いのだが、手前の樹にピントを合わせていて、背景の船や川はすでにボケ味が楽しめる。ここで10mm台の広角を使ってしまうと、ほぼパンフォーカスとなり、背景をボカすことはできなくなってしまう。