一碗

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また、茨木のり子さん

2020-07-03 21:04:52 | 日記

     

茨木のり子さんの評伝、後藤正治著『清冽』が出てきました。きっと、先入観を持ちたくないので読まなかったんでしょうね。

でも、新聞の訃報に、・・自宅で死去しているのが発見された。死因不明と記されていたので、どのような暮らしをされていたのだろうと思ったのです・・・

写真も豊富、いろんなことが氷解・・・茨木のり子さんってきれいな方ですね。

なぜ、「茨木」というペンネームをつけたのか・・たまたまラジオから流れていた謡曲が「茨木」だったとか・・それも実は謡曲ではなかったとか・・

気になってた詩があったのです。 ーY・Yにー

 大人になるというのは  すれっからしになることだと  思い込んでいた少女のころ

 立居振舞の美しい   発音の正確な   素敵な女のひとと会いました

 そのひとは私の背のびを見すかしたように   なにげない話に言いました

 初々しさが大切なの  人に対しても世の中に対しても  人を人とも思わなくなったとき

 堕落が始まるのね   堕ちてゆくのを

 隠そうとしても 隠せなくなった人を何人も見ました 

 私はどきんとし    そして深く悟りました

  ・・・・・(略)

この女の人って誰だろう・・・新劇俳優の山本安英さんでした。 大納得!

 

茨木のり子さんの活字になった最後の詩がありました。 「行方不明の時間」

 ・・・・・・(前略)

 目には見えないけれど

 この世のいたる所に

 透明な回転ドアが設置されている

 無気味でもあり 素敵でもある 回転ドア

 うっかり押したり

 あるいは

 不意に吸い込まれたり

 一回転すれば あっという間に

 あの世へとさまよい出る仕掛け

 さすれば

 もはや完全なる行方不明

 残された一つの愉しみでもあって

 その折は

 あらゆる約束ごとも

 すべては

 チャラよ 

 

そう、すべてはチャラですね。

 

(そういえば、佐藤春夫先生も詩人でしたね。どこか共通するところがあるのでしょうか‥興味ありますね)

 

・・・

 

コメント
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