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甲府市の市民レポーターがこうふの話題をお届け!

高齢者の知的好奇心の出会い(その2)

2013-03-04 13:45:00 | 教育

 放送大学で学ぶシルバー世代人  


市民レポーターの浅野です。
先月、「放送大学で学ぶシルバー世代」をお送りしました。
今月はその放送大学で学ぶシルバー世代の方々を取材しました。

 

放送大学の入り口を入ると、大学にしては珍しいものを見つけました
高齢者への配慮です。
まず血圧をチェックして体の安全を確かめましょうということです。
向学心に燃えていても血圧は冷静に!といった注意ですね。


▲気軽に血圧測定!

 

このロビーにあるドリンクサーバーは
一回50円でコーヒーや紅茶等を飲むことが出来ます。
この安さが良いですね。気軽に利用できます。

コーヒー片手にディスカッション
気軽な交流の場には重要な影の役者です。


▲財布にやさしいドリンクサーバー

 

                 
掲示板には、「面接授業『アメリカ南部巡検』のご案内」
とかかれたビラが貼ってありました。
このような授業が受講生同士の輪を広げるのですね。
日頃勉強した英語、地理、地政学、民俗学、欧米史、
どれが役に立つのでしょうか
お互いの知識合戦が楽しそうですね。
                 


▲掲示板にはこのような「体験勉強の誘い」がたくさんあります。

 

1.学習室での一コマ
さっそく学習室に入ってみます。

広い学習室は・・・
個人の学習コーナーに区分けされていて、
各コーナーにPC、DVD/CDプレイヤーがセットされています。

部屋の入口には・・・
放送大学で使われるすべての視聴覚教材、教科書などが用意されています。

奥には・・・
図書コーナー、大机などがあって、
多くの学習者がこの部屋で自由に学ぶことができるようになっています。

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 今日は平日の夕方、しかも雪模様の天気ということですいていますが、
 お一人の学習者の方がヘッドホンに集中しています。
 お話をうかがってみましょう。
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すいません、お邪魔します!◇◆
お名前とお年を・・・
有井といいます、69歳です。

今は何の科目を学ばれていますか?
今は英語をやっています。もう4年通っています。

ここの学習センターをどのように利用していますか?
朝から晩までここでやってますよ
今は英語ですけど、放送大学の卒業をねらっていますので、
全教科をここでやります。

え~!全教科ですか?
はい、来月卒業が決まっています

 

勉強は大変ですか?◇◆
ここで集中できますから案外楽ですね。
やればやるほど好きになれますよ。
好きになることが継続できるポイントですね

以前から仕事で英語に親しんでいたのですか?
現役時代は仕事一本やりできましたので、
勉強には縁がなかったですね。
定年後は好きなことに集中したいと思いましたし、
ここではそれが出来る環境でした。
2、3教科用意してきて、飽きたら教科を変えるんです。
一日はすぐ終わってしまいます

ということは家族のご協力も?
行ったら一日帰ってこないとあきらめていますよ。
弁当持ちですからやはり協力してくれているのでしょうね。

両脇に資料や辞書を積み上げていますね?
ここには資料はいくらでもあるので飽きませんよ。
疲れたらこの周辺を散歩します
このまわりは良い環境なので歩くところは沢山ありますよ。

 

趣味は何ですか?◇◆
学ぶことが趣味になりました
学ぶことで夢が広がります。
朝、明るくなれば起きますね。
起きれば活動したくなります。
ですから学び始めます。
学び始めると楽しいですね。
生活が楽しい、人生が楽しい
長生きしたい、健康でいたい
という流れが実感できるんですよ。 


▲卒業単位を終了した有井さんです

ウッ!!!
ここまで一気にしゃべられると圧倒されます

有井氏の写真を見て下さい
明るさ、楽しさ、やる気が満面に感じられますね
シルバー世代であってもここまで明るくなれるという貴重な体験でした。
そして元気をいただきました

 

2.ロビーでの一コマ

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 夕方も遅くなると皆さんそろそろ帰り支度です。
 その前にちょっと、皆さんにお話をうかがいました。
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▲インタビューに応じて下さった皆様。英会話、太極拳等のサークルで活躍している皆様です。

今日は何か集会があったのですか?◇◆
毎週金曜は、太極拳と英会話のグループ活動がありますし、
今日は特に『年金の話し』というセミナーもあったので、その帰りです。

英会話グループができたいきさつは?
もともと『あるこう甲斐』という郊外ウォーキングのグループがあって、
その新年会で英会話もやりたいねという話がでて、2009年3月に6人で立ち上げました。

英会話グループの「ローマの休日」というネーミングのいきさつは?
教材の名前が『ローマの休日』だったんですよ。

しゃれた名前だなと思って、俺も入ろうかなって
何かしゃれたことをやっていそうでワクワク気分で入ってみました。

 

グループ活動が続くヒケツは?◇◆
平日の金曜日にやっているのが続くヒケツかも・・・

お互いに刺激しあっているんですよ。
グループでの仲間同士が、科目の学習仲間でもあって刺激しあっています。

グループ活動の仲間同士の刺激って?
同じグループのあの人は○○科目の単位をとった自分も頑張らなくては
といった刺激は意外と頑張る原動力になります。

 

最後に、放送大学の良い点は?◇◆
放送大学は一度卒業しても、また3年次に編入する人が多くいます。
これを何回か繰り返すと沢山の科目を長期間、学ぶことが出来ますし、
交流の輪である『面接授業』、『研修旅行』、『グループ活動』に継続的に参加できます。
そして『グループ活動』は卒業しても出入り自由ですからとても良い輪が出来ています。

 


▲それでは皆様!お体に気をつけて、楽しくて、有意義な生活をお送りください。

 

ここでも元気で、明るいシルバー世代の方々にお会いしました。
しっかりとした目標や動機をもった人は姿勢がちがいます

学ぶことの力強さを改めて知った感じですし、
10代、20代の学生の方々と本質的に異なった
学問への取組み姿勢を見せていただきました。

 

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前月と今月で、「放送大学で学ぶシルバー世代人」をお送りしました。
 この取材を通して次の2点に強い印象を持ちました。
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1)生涯学習の一つのスタイルがここにあるということ
  普通の大学と違って、この大学は卒業したらすぐに3年次に編入、
  異なる専門科目に挑戦するという方がいます。
  これを卒業するとまた編入、といった繰り返しが出来て、
  まさに生涯にわたって学習ができます。

2)年代の壁を超えた学習システム、学習仲間の場であること
  10代の若者と60代の高齢者が同じ学習内容に挑戦したり、
  同じサークルで活動したり、そんなスタイルがここにあります。

 

そういえば・・・
このようなスタイルの大学は、欧米で良く見ることが出来ます。

欧米の大学は、社会で豊富な経験を積んだ人たちが大学に戻って勉強し、
また社会に帰っていく人が沢山います。
そのような人的な厚みのなかで若者も多くのことを学んでいきます
日本の大学もきっとそのようなスタイルになっていくのだろうと思いますが、
放送大学にそのスタイルの実績を見ることができました。

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  放送大学 
  
【連絡先】055-251-2238
   【 H P 】http://www.ouj.ac.jp/
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今月のブログで1年間の市民レポーターを卒業になります。

甲府市の魅力をお伝えしようと軽い気持ちで始めたのですが、
取材の難しさ、限られた字数で表現することの難しさにビックリしています。
でも取材を通して多くの方々と触れ合うことができ、
元気、優しさをいただきました。
感謝しています。
今でも頭の中では沢山のお伝えしたいことが渦巻いています。
またいつか皆様にお伝えできれば幸いです

最後に、私の拙い文章を投げ出さずに
皆さんの眼に届くように仕上げて下さった
市役所のスタッフの方々に感謝申し上げます。
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