◆〜本と歩こう(37)~◆
こんにちは。市民レポーターの 杉浦玲子 (すぎうら れいこ)です。
今回は、6月11日(土)に市内高室町で行われた高室家住宅見学会のご報告です★
当日現地集合の見学会(午前10~11時)には、事前予約30名の参加がありました。
はじめに、歴史文化財課の職員のみなさんが、この高室家の概要について説明。甲斐守護武田氏から当地を与えられたとされる家柄の高室家。江戸~明治時代までに整えられた家屋敷・庭園が良好な状態で残されていたため、平成22年12月に重要文化財に。当家隆盛期の明治41年の姿を再現しようと、平成26年から31年まで大規模な保存修理事業が実施されました。
★主家の玄関から見学スタート★
【主屋(おもや)】
天明8年(1788)建築の大型住居。接客部分の一室を薬の「調合所」とし、作り付けの薬箪笥や、薬草を乾燥・貯蔵するための階段箪笥や二階部分があります。
★太鼓橋付きの離れ★
【離れ(はなれ)】
寛保2年(1742)~明和6年(1769)の間の建築。安政2年(1855)に現状のように改修。紙張りの天井や花頭窓をあしらうなど、趣向を凝らした意匠になっています。
その他にも、文庫蔵や味噌蔵、水場、茅葺屋根の内側や土間の様子も見ることができました。そして敷地の一角には、戦争時の防空壕の跡もあり…。高室家のたどってきた歴史の一端を感じました。
高室家住宅は通常非公開となっています。見学ご希望の方は、公開日時について歴史文化財課にお問合わせください。なお、8月6日(土)午前中には、スプリンクラーの試運転を兼ねて、高室家が水の中に包まれる散水の様子も見られるそうですよ★
詳しいお問合せは 歴史文化財課(☎055-223-7324)まで♬
~本と歩こう(37)~
『百年の家』 絵/ロベルト・インノチェンティ
作/J.パトリック・ルイス 訳/長田 弘
講談社 2011年 ※出版社の著作権に基づいて書影を使用しています
今回は高室家と同じように、「百年以上の歳月を生きる家」をテーマに選びました。
扉の上にある「1656」の数字。最初にこの家が建てられた年でしょうか。
ずっと廃屋だったこの古い家が、1900年に再び命を得て、人々と共に生きる日々を語ります。
収穫の喜び、戦争の苦しみ。幸せなときも悲しいときも、人々の営みや状況の変化を静かに見守る家。
一軒の家に流れる濃密な時間を感じながら、読んでほしい絵本です。
―取材へのご協力、ありがとうございました―
【関連リンク】
・高室家住宅 甲府市HP