
こんにちは、市民レポーターの内藤です。
今回、みなさんにお伝えしたいのは羽黒地域の自然・歴史遺産についてです。
まずは、お天狗山(羽黒山)の自然環境と歴史ドラマについてご紹介します!!
天狗山は標高約490mで湯村山と似通った外形をしています。
このお天狗山のふもとにある羽黒大宮神社の境内には大岩塊が7点あり、
その岩は御岳昇仙峡や千代田湖付近に分布するものと同じ、
白砂の源岩・花崗岩の軽石です
この地域は、隣町の湯村温泉郷と同じ地質環境をもっています
地殻深部から上昇したマグマが冷えて、水晶等を晶出し、花崗岩が形成され、
その後、火山岩・安山岩が噴出し、この地域の温泉源となっています
神社境内に接続する道筋の火山地形は、
湯村温泉郷と同じ安山岩で構成されているのに、
この神社境内のみに花崗岩(みかげ石)の大岩塊が点在しているのは、とても不思議です
この天狗山山頂にある積石塚古墳は関東一の規模だと言われており、
「聖なる山」として毎年3月21日には地域住民による盛大な祭典が挙行されています
頂上の石塚付近には三本の鉄劍がたてられており、
その両側には石碑が設置されています
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鉄劍には「荒木大神石柱・敬神霊神・駒ヶ嶽大神」と刻まれています。
石碑には「天命霊神・考力霊神・荒木信者」と刻まれています。
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金峰山・御岳昇仙峡から千代田湖にかけての深成岩・みかげ石岩体を突き破って噴出した安山岩が、
温泉をともなって単火山として噴出し、現在の自然景観と歴史ドラマを形成した羽黒北山筋地区。
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次に、この地域に残る、意地悪婆さんの石イモ伝説と「みのるが池」の童話的ドラマをご紹介します
今から500年前の室町時代末期に、
羽黒町竜源寺の天外格道・住職がお天狗山山頂の噴きざらし観音像を、
背負って降ろし、寺の境内に隣接した草庵に安置したといわれています。
この草庵は広さ20坪ほどの「みのるが池」の辺りにあったそうです。
この池は現在では埋め立てられ、小さな泉となり、静水を流しています。
地域の人たちは現在この池を「弘法様の池」と呼んでいます
なぜ、地域の人たちがこの池を「弘法様の池」と呼んでいるのか
「みのるが池」にはこんな伝説があります・・・
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ある時この池で老婆がイモを洗っていました。
そこにお腹を減らして通りがかった弘法大師が、イモを1つ所望したそうです。
ところが老婆は「・・・これはイモではなく石だよ・・・」と拒んだというのです。
すると、とたんにイモは石に変わってしまった・・・
≫≫甲府市HP内 『おはなし小槌』 弘法大師と石芋のページ
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弘法大師(空海)は仏教を広めるために、諸国を漫遊していました
また、湯村温泉・弘法湯の開発者とも言われています。
老婆の洗っていた石イモ原種は現在でも池の畔に生えています
この植物学的特性は「ヤマイモ、サトイモ、ジャガイモ」のどれかは不明です。
しかし、長野県青木村沓掛温泉にも「伝説的弘法イモ」と言われるイモが自生しており、
「みのるが池」と同じ里芋の原種ではないかという人もいます
沓掛温泉にも羽黒の「みのるが池」と同じ伝説的話題が残っていることには驚かされます
「みのるが池」湖畔に群生しているサト芋の葉の形態からは、
明らかに現世種・里芋であると理解することができます
しかし、残念ながら、池の周りには歴史的案内板はありません。
今後の地域の文化財保存活動を期待したいですね
みなさんも生涯学習の1つとして身近な歴史などを探索してみてはいかがでしょうか