◆千代田地区◆
私は“健康のために甲府の街を散歩しながら、新しい発見をする”を目標に、
市のホームページに掲載されている『甲府市ウォーキングマップ』を見ながら31地区のコースを歩き、中高年の立場で各コースを紹介していきます。
vol.1:東地区Aコース vol.2:千塚地区北側コース vol.3:大里地区<アイメッセコース> vol.4:里垣地区西コース vol.5:住吉地区全周コース vol.6:玉諸地区 vol.7:北新地区 vol.8:湯田地区 vol.9:春日地区 vol.10:石田地区 vol.11:中道地区 vol.12:池田地区 vol.13:国母地区 vol.14:朝日地区 vol.15:甲運地区 vol.16:貢川地区 vol.17:伊勢地区 vol.18:相生地区
番外編1:「米倉山太陽光発電所」と「ゆめソーラー館やまなし」
番外編2:市立甲府病院 栄養管理士さんのお仕事紹介
****コースの紹介****
第19回は、<千代田地区>です。
千代田地区には、甲府市の水を供給している平瀬浄水場がある「平瀬町」と、「上帯那町」、「下帯那町」があります。帯那(おびな)の由来は、耕地が帯のように長く、「那」は野を意味するそうです。今回は丸山貯水池(通称:千代田湖)の周りを歩く、下帯那地区コースを散歩しました。
『甲府市ウォーキングマップ』p.27に掲載
①2021年7月19日(月)、千代田湖畔にある貸しボート屋の「丸山荘」からスタート。ウォーキングマップでは少し先の「諏訪神社」からスタートですが、散歩前日に丸山荘に連絡して駐車の了承をいただきました(丸山荘は65年続く貸しボート屋さんで、現在のご主人で3代目だそうです)。
マップと飲み物を持っていざ出発!!
②和田峠からの道、天神平甲府線(県道104号)を横切り、右斜めに進みます。
上り坂を道なりに数分歩くと、左手前方に諏訪神社が見えてきます。神社前を流れる帯那川は、千代田湖を経由して後荒川に流れています。
③諏訪神社は、信濃の諏訪大社の祭神を祀っています。武勇の神としてだけではなく風水の守護神で五穀豊穣を祈る神として信仰され、ここ下帯那だけでなく、上帯那にも諏訪神社があるそうです。
④帯那川に掛かる宮川橋で、農作業から帰る久保田徳江(のりえ)さん(年齢は秘密)にお会いし、お話を伺いました。
諏訪神社では、夏は盆踊り、10月には「お洗垢離(おせんごろ)祭り」が行われるそうです。お洗垢離祭りは300年以上の歴史があるお祭りで、帯那川をせき止め祭壇を祀り、下帯姿の地域の若者が川に入って心身を清め呪文を唱え、地域の五穀豊穣、人々の無病息災を祈念し、夕方6時頃から神社東方500m先の山腹にある「金毘羅さん」へ参拝するそうです。なかなか勇壮なお祭りとのことでした。
⑤久保田さんから“下帯那にビールのホップを育てている外国人がいる”と伺い、どんな方か興味がわいたので後をついていきました。
久保田さんはとてもお元気で、棚田の上り坂をどんどん歩いていきます。
ホップを育てているのは、山梨県立大学で英語とグリーンビジネスを教えているデイビッド・プルーカ准教授ご一家。
デイビッドさんは「帯那ホップス」を経営し、クラウドファンディングで資金を集め、畑で育てた22種類のホップでクラフトビールの生産をするという夢をもっています。
(学生たちも畑仕事を手伝いに来ることがあるそうです)
デイビッドさんの奥さん(英語、中国語、日本語ができ、たまに甲州弁で会話するとおどけていました)は、久保田さんから野菜栽培を教わり、サツマイモなど11種類の野菜を育てています。帯那の地産品を創作し、過疎・高齢化が進む地域を活性化するためにも素晴らしい挑戦だと思いました。
⑥宮川橋に戻り、散歩コースを進みます。道なりに坂道を歩きます。
「千代田荘」の看板があるY字路を左に進み、上り坂をひたすら歩きます。緑が多く空気も綺麗で気持ちいいですね。
右手の「甲府市上下水道局千代田第四ポンプ場」を通り過ぎ、また「千代田荘」の看板がある十字路を左折します。
⑦ここからやっと下りになりました。足取り軽く歩きましょう!
千代田荘の向かいにある多機能型通所事務所「くぬぎの森」のてづくりパン屋さんで、休憩がてら調理パンを食べました。おいしかったです。
⑧一息ついたら、甲府市立千代田小学校をめざし、森林浴を楽しみながら歩きます。
ときどき鳥の声が聞こえ、ねむの木が茂り、ミョウガも群生していて自然観察ができました。ずっと下り坂なので楽ちんです。
右側の崖には、何か所か階段がありました。森を管理する人が使う階段でしょうか?
⑨森を抜けると、正面に千代田小学校が見えてきます。この日、くぬぎの森から千代田小学校まで車は一台も通りませんでした。
千代田小学校は、明治6(1873)年に「帯那学校」として開校。明治22(1889)年に「千代田尋常小学校」となった、148年の歴史ある学校です。過疎化によって児童数が減少しており、その対策として、通学区域外からの就学が認められています。
https://www.city.kofu.yamanashi.jp/kyoiku-somu/h28tiyoda.html
⑩「千代田小学校」の信号を左折し、県道104号に出て千代田湖をめざします。
車通りは少ないですが、スピードが出ているのでご注意ください。
⑪狭い道を進みます(この道はときどき釣り客の車が通るので気を付けてください)。
木の途切れた所からの眺めは素晴らしいです!
途中、湖面水位の観察をしている方がいました。
湖水が上昇したときは、ここから溢れて、放水路経由帯那川の下流になり、荒川に注ぐとのことでした。
その先に「丸山貯水池(通称:千代田湖)の碑」がありました。
⑫左回りで湖畔を歩きます。釣りをしている人達や写生をしているグループがいました。湖面も波が無く静かな場所です。
途中道祖神がありました。
2カ所ある公衆トイレのひとつです。
⑬道なりに歩き、白山荘の先のT字路を左折します。
県道104号に出て数百メートル歩くと、左側に丸山荘があります。
丸山荘にGOAL!!おつかれさまでした。
**** 見所紹介① 丸山貯水池(通称:千代田湖) ****
昭和12(1937)年につくられた、灌漑用人造湖。水面積約25㎡、貯水量145万トン、最大深13mの、山梨県最大の貯水池です。
甲府市民には“千代田湖”でおなじみですが、正式名称は「丸山貯水池」。「丸山ため池」とも呼ばれます(個人的には“千代田湖”が好きです)。
湖面には波が無く静かで、青空に浮かぶ雲を映し出し、空の青、雲の白と森の深緑のコントラストがとてもきれいでした。
千代田湖の生物
7月30日に再度訪れた際、湖面にはスイレンの華が咲き始めており、水中にはヘラブナ、ブラックバス、ミシシッピーアカミミガメがたくさん泳いでいました。
冬はオオバン、ヨシガモ、マガモ、キンクロハジロなどの野鳥が姿を見せるそうです。
湖畔の道端には、初めて見るオオウバユリ(大姥百合)の蕾が二株ありましたが、一株の蕾は心ない人に折られていました。地元の人が大切に守っているのに切ないですね…。
**** 見所紹介② 甲府盆地の眺め ****
①和田峠にある「みはらし広場」からの眺め、②千代田湖から山宮に抜ける道の途中にある「みはらし広場」から眺め、③武田の杜からの眺めです。夜景だとさらに綺麗だと思います。
**** コースの感想 ****
<千代田地区>の下帯那コースは、「秩父多摩甲斐国立公園」に含まれる千代田湖のほか、保安林、国有林、県有林、県立武田の杜と森林に恵まれ自然豊かな場所です。
下帯那町は、平成31(2019)年時点で世帯数189、人口309人。半数近くが65歳以上の方で、少子高齢化が進んでいます。そんな中、海外から移住して地元ビール開発にチャレンジしている方がおり、地域の方も快く受け入れ仲良く生活していることを知りました。このような活動がきっかけで、若い人が移住し、地域が活性化するとよいと感じました。
甲府の夏はとにかく暑いので、ウォーキングはくれぐれもご注意ください(この日の最高気温36.5度でした)。
****【かずさんの 勝手に5段階評価☆】****
※トイレ、駐車場は、必ず施設の許可を得てから使用してください
甲府市ウォーキングマップ
https://www.city.kofu.yamanashi.jp/kenkoese/kenko/kenko/kehatsu/walking.html
<参考>
『こうふ 私の地域・歴史探訪 ~甲府を紐解く31地区の軌跡~』
https://kofu-tourism.com/news/77
帯那地域活性化推進協議会ホームページ