「レンタルなんもしない人」というのは、テレビで見たことがある。なんもしない人を呼んで、何をするのかを追ったドキュメンタリーのようなものを見たのだ。ツイッターなどで呼び出すことができるようで、呼び出すと交通費と、例えば一緒に食事をするなどだったら、食事代などの必要経費は払わなければならないという。呼んだあとの時間にかかる、いわゆる報酬は必要ない。
説明しても今一つ意味は分かりにくいと思うが、見ていても今一つ意味は分からない。分からないが、呼び出す人々に一定の需要があって、たぶんだけど、それなりに役立っているということは言えたかもしれない。役立つというか、面白がられるというか。
それなりに有名人でもあるらしいので、ほんとに来たな、というだけでも意味はありそうだ。また、話はすることはできて、その受け答えを見る限り、それなりに思想がありそうな感じもする。いわゆる呼び出している人の需要に関して、敏感に役割を果たすことのできるキャラクターのようなのだ。
本人は結婚もしているし子供もいるようだ。貯金もあるようで、それで暮らしていけるという。後にネットで検索したものを読んで考えてみると、関連著書もあるようだから、これ自体がプロモーションとしてやっていける、という計算もできそうだ。もっともそういうスタンスであるというのは、設定外のことかもしれないが。
炎上したこともあるようで、それは男だからこんなことができるのだろう(大意)というつぶやきに対して、「こういうこと言う人よくいるけど「おまえは男だったとしてもできねえよ」と思ってしまう」とつぶやいてしまったからだ。まあこのことにかみついてしまう人もどうかと思うが、実際なんもしない人が思うことはそうだろうと思う。苦難の度合いの違いはあろうが、女だってできることには違いないだろう。実際多くの女性は、やっていることだろうし。そうしてなんもしない人は、男である困難の方が多いのではないかとも考えられる。しかし、その壁を乗り越えて、ある程度成功している事実をつかんでいる。まあ、だから頭にも来たんだろう。
要するにこういう人が居たとして、呼んでくれる人が居て、そうしてそれが何か成り立つという確信があっての行動だということだ。ちゃんと話題にもなって、そうして面白がっている人がたくさんいるわけだ。僕としてはたいして面白いとは正直言って思わないが、そういうことに長けていることには違いない。「分かんない人、分かんないかな~」などとも思っていそうである。
いろいろあるが、まあ、分かってほしいのだろうと思う。そういう世の中になってほしいのかもしれない。きわめて政治運動っぽいものなのかもしれない。そういう風に思われたくないだろうにせよ、何もしない人運動というのは、そういうものだろう。まあ、つまるところ、インスタ映えとか、そういうものなんじゃないでしょうか。