はぁい♪ミス・メリーよ♪
TV番組がレギュラーに戻ると正月の終りを感じるわね。
さて、今夜はイギリスのクリスマスを紹介しようかしら。
正式には「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)」と呼ばれるイギリスは、イングランド・スコットランド・ウェールズ・北アイルランドと、4つの地域で成り立ってる事は知ってるわね?
つまり4つの国が連合してるという事、それぞれ異なった文化を持ってる為、クリスマスの祝い方をとっても、共通してはいないの。
例えばスコットランドでは独自の国教会「カーク」を設立し、キリスト教関連の祝祭を廃止した為、クリスマスより大晦日と元旦の方が盛大に祝われてる。
一方キリスト教圏であるイングランドでは、クリスマスは1年中で最も重要な行事。
11月に入ると早くもクリスマスセールが始まるし、クリスマスカードは発祥の国らしく夏から販売されてるのだそうよ。
そんなクリスマス大好きイングランド国民だけど、第7回で話した通り、清教主義の影響から、一時祝えない時代が有ったの。
現代で見られるクリスマス習慣の中には、割と近代になってから始められたものも多いのよ。
例を挙げるとクリスマスツリーは、ヴィクトリア女王の夫アルバート公がドイツ人で、1841年子供の為にウィンザー城で飾った事が国民に広まり、流行した物だって云われてる。
ツリーが入って来る以前は「キッシング・ボウ(またはキッシング・バンチ)」と呼ばれる、球形の常緑樹にキャンドルを立てた天井吊り下げ式の飾りがポピュラーだったそうよ。
この飾りの中央にはヤドリギが垂れていて、男性はこの下で女性にキスをしても良いという、暗黙の了解が有ったの――だから呼び名が「キッシング」・ボウ。
イングランドでは中世後期~チューダー朝期にかけ、挨拶代わりのキスが一般的だった為に、生れたんじゃないかって云われてるわ。
イングランドで典型的なクリスマスの御馳走といえば七面鳥、或いは猪の頭、近代に入ってからはローストビーフ、デザートはミンス・パイにクリスマス・プディング。
由来はそれぞれ以前紹介したから参考にして貰うとして、昔はプディングの中に銀貨・指輪・指貫を入れておき、占いを楽しんだそうよ。
銀貨を見付けた人は将来お金持ち、指輪だったら幸福な結婚、指貫だったら一生独身…食べる時ちょっとドキドキしそうね。
もう1つ、イングランドのクリスマス習慣で忘れちゃいけないのは、クリスマス・クラッカー。
日本で見られる、紐を引っ張ってパン!と音が出るタイプじゃなく、紙製の大きなキャンディの形をした物なの。
両端を2人で同時に引っ張ると、中からプレゼントと色紙製の王冠、クイズが書かれた紙が飛び出す仕掛けで、引っ張りっこに勝った人はプレゼントを手に入れた上、王冠を被って皆にクイズを出す権利を得られるのよ。
ロンドンの菓子製造業者が1846年に考案した物で、ロンドンっ子にとってはクリスマスに欠かせないパーティーグッズなんですって。
そしてプレゼント、これはイヴに開けてはダメ。
12/25の朝に開けるのが決まりなの。
だから子供達は朝早起きして、ツリーの下のプレゼントの包みを破くの。
大人は届けられたクリスマスカードを眺めるのが楽しみ。
クリスマスは年にたったの1度だけ
でも訪れる時は持って来る、美味しい御馳走
財布いっぱいのお金
酒蔵いっぱいのビールもね
マザーグースに詠まれるまで、イングランド国民の暮らしに溶け込んでるクリスマス。
近代に広め根付かせた最大の功労者は、チャールズ・ディケンズでしょうね。
1843年に彼が発表した「クリスマス・キャロル」と言う小説は、今でも毎年12月になるとロンドンの聖ジョージ教会で劇にされ演じられてるわ。
といったところでお話の続きはまた明日!
今年のクリスマス11曲目は――「Let It Snow(レットイットスノー)」!
サミュエル・カーン作詞、ジュール・スタイン作曲、1945年にアメリカで発表されたポップス。
「ウィンターワンダーランド」と同じく、歌詞中にクリスマスは出て来ないんだけど、映画「ダイ・ハード」で使用されて以来、人気クリスマスソングの仲間入りを果たしたわ。
そういえば「ダイ・ハード」は主人公がクリスマスに遭う災難劇だったわね。
歌いながら今夜はグッバイ――また明日ここで会いましょう♪
【Let It Snow】
Oh the weather outside is frightful♪
But the fire is so delightful♪
And since we've no place to go♪
Let it snow♪ Let it snow♪ Let it snow♪
It doesn't show signs of stopping♪
And I brought some corn for popping♪
The lights are turned way down low♪
Let it snow♪ Let it snow♪ Let it snow♪
When we finally kiss good night♪
How I'll hate going out in the storm♪
But if you really hold me tight♪
All the way home I'll be warm♪
The fire is slowly dying♪
And, my dear, we're still good-bye-ing♪
But as long as you love me so♪
Let it snow♪ Let it snow♪ Let it snow♪
When we finally kiss good night♪
How I'll hate going out in the storm♪
But if you really hold me tight♪
All the way home I'll be warm♪
The fire is slowly dying♪
And, my dear, we're still good-bye-ing♪
But as long as you love me so♪
Let it snow♪ Let it snow♪ Let it snow♪
【訳】
わぁ、外の天気が酷くなってる
でも暖炉の側だと幸せだね
どうせ出掛ける場所も無し
雪よ降れ! 雪よ降れ! 雪よ降れ!
このまま止む気配は無いなあ
まあポップコーンも買ってある事だし
明りは暗くなって来たけれど
雪よ降れ! 雪よ降れ! 雪よ降れ!
とうとうオヤスミのキスの時間か
吹雪の中に出て行くのは嫌だな
でも君がぎゅっと抱いてくれたら
帰り道もそんなに寒くないかも
暖炉の火が段々と消えて行くけれど
僕達はまだ別れを惜しんでしまう
でも君の愛が有れば大丈夫
雪よ降れ! 雪よ降れ! 雪よ降れ!
…毎度ようつべからですが歌う時の参考にどぞ!
12/25のクリスマスは、ロンドンの地下鉄やバスが全線運休しちゃうそうで。
日本の都市圏の電車やバスは正月でも運休しないのに…外国から「働き過ぎ」と言われるわけだよなぁ。
本日の写真は同じくイクスピアリのミュージアムレーンで撮影したもの。
米国版「ゆーきやこんこ♪」な歌に合わせ雪の結晶。
夜にはこんな風に輝いた。
TV番組がレギュラーに戻ると正月の終りを感じるわね。
さて、今夜はイギリスのクリスマスを紹介しようかしら。
正式には「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)」と呼ばれるイギリスは、イングランド・スコットランド・ウェールズ・北アイルランドと、4つの地域で成り立ってる事は知ってるわね?
つまり4つの国が連合してるという事、それぞれ異なった文化を持ってる為、クリスマスの祝い方をとっても、共通してはいないの。
例えばスコットランドでは独自の国教会「カーク」を設立し、キリスト教関連の祝祭を廃止した為、クリスマスより大晦日と元旦の方が盛大に祝われてる。
一方キリスト教圏であるイングランドでは、クリスマスは1年中で最も重要な行事。
11月に入ると早くもクリスマスセールが始まるし、クリスマスカードは発祥の国らしく夏から販売されてるのだそうよ。
そんなクリスマス大好きイングランド国民だけど、第7回で話した通り、清教主義の影響から、一時祝えない時代が有ったの。
現代で見られるクリスマス習慣の中には、割と近代になってから始められたものも多いのよ。
例を挙げるとクリスマスツリーは、ヴィクトリア女王の夫アルバート公がドイツ人で、1841年子供の為にウィンザー城で飾った事が国民に広まり、流行した物だって云われてる。
ツリーが入って来る以前は「キッシング・ボウ(またはキッシング・バンチ)」と呼ばれる、球形の常緑樹にキャンドルを立てた天井吊り下げ式の飾りがポピュラーだったそうよ。
この飾りの中央にはヤドリギが垂れていて、男性はこの下で女性にキスをしても良いという、暗黙の了解が有ったの――だから呼び名が「キッシング」・ボウ。
イングランドでは中世後期~チューダー朝期にかけ、挨拶代わりのキスが一般的だった為に、生れたんじゃないかって云われてるわ。
イングランドで典型的なクリスマスの御馳走といえば七面鳥、或いは猪の頭、近代に入ってからはローストビーフ、デザートはミンス・パイにクリスマス・プディング。
由来はそれぞれ以前紹介したから参考にして貰うとして、昔はプディングの中に銀貨・指輪・指貫を入れておき、占いを楽しんだそうよ。
銀貨を見付けた人は将来お金持ち、指輪だったら幸福な結婚、指貫だったら一生独身…食べる時ちょっとドキドキしそうね。
もう1つ、イングランドのクリスマス習慣で忘れちゃいけないのは、クリスマス・クラッカー。
日本で見られる、紐を引っ張ってパン!と音が出るタイプじゃなく、紙製の大きなキャンディの形をした物なの。
両端を2人で同時に引っ張ると、中からプレゼントと色紙製の王冠、クイズが書かれた紙が飛び出す仕掛けで、引っ張りっこに勝った人はプレゼントを手に入れた上、王冠を被って皆にクイズを出す権利を得られるのよ。
ロンドンの菓子製造業者が1846年に考案した物で、ロンドンっ子にとってはクリスマスに欠かせないパーティーグッズなんですって。
そしてプレゼント、これはイヴに開けてはダメ。
12/25の朝に開けるのが決まりなの。
だから子供達は朝早起きして、ツリーの下のプレゼントの包みを破くの。
大人は届けられたクリスマスカードを眺めるのが楽しみ。
クリスマスは年にたったの1度だけ
でも訪れる時は持って来る、美味しい御馳走
財布いっぱいのお金
酒蔵いっぱいのビールもね
マザーグースに詠まれるまで、イングランド国民の暮らしに溶け込んでるクリスマス。
近代に広め根付かせた最大の功労者は、チャールズ・ディケンズでしょうね。
1843年に彼が発表した「クリスマス・キャロル」と言う小説は、今でも毎年12月になるとロンドンの聖ジョージ教会で劇にされ演じられてるわ。
といったところでお話の続きはまた明日!
今年のクリスマス11曲目は――「Let It Snow(レットイットスノー)」!
サミュエル・カーン作詞、ジュール・スタイン作曲、1945年にアメリカで発表されたポップス。
「ウィンターワンダーランド」と同じく、歌詞中にクリスマスは出て来ないんだけど、映画「ダイ・ハード」で使用されて以来、人気クリスマスソングの仲間入りを果たしたわ。
そういえば「ダイ・ハード」は主人公がクリスマスに遭う災難劇だったわね。
歌いながら今夜はグッバイ――また明日ここで会いましょう♪
【Let It Snow】
Oh the weather outside is frightful♪
But the fire is so delightful♪
And since we've no place to go♪
Let it snow♪ Let it snow♪ Let it snow♪
It doesn't show signs of stopping♪
And I brought some corn for popping♪
The lights are turned way down low♪
Let it snow♪ Let it snow♪ Let it snow♪
When we finally kiss good night♪
How I'll hate going out in the storm♪
But if you really hold me tight♪
All the way home I'll be warm♪
The fire is slowly dying♪
And, my dear, we're still good-bye-ing♪
But as long as you love me so♪
Let it snow♪ Let it snow♪ Let it snow♪
When we finally kiss good night♪
How I'll hate going out in the storm♪
But if you really hold me tight♪
All the way home I'll be warm♪
The fire is slowly dying♪
And, my dear, we're still good-bye-ing♪
But as long as you love me so♪
Let it snow♪ Let it snow♪ Let it snow♪
【訳】
わぁ、外の天気が酷くなってる
でも暖炉の側だと幸せだね
どうせ出掛ける場所も無し
雪よ降れ! 雪よ降れ! 雪よ降れ!
このまま止む気配は無いなあ
まあポップコーンも買ってある事だし
明りは暗くなって来たけれど
雪よ降れ! 雪よ降れ! 雪よ降れ!
とうとうオヤスミのキスの時間か
吹雪の中に出て行くのは嫌だな
でも君がぎゅっと抱いてくれたら
帰り道もそんなに寒くないかも
暖炉の火が段々と消えて行くけれど
僕達はまだ別れを惜しんでしまう
でも君の愛が有れば大丈夫
雪よ降れ! 雪よ降れ! 雪よ降れ!
…毎度ようつべからですが歌う時の参考にどぞ!
12/25のクリスマスは、ロンドンの地下鉄やバスが全線運休しちゃうそうで。
日本の都市圏の電車やバスは正月でも運休しないのに…外国から「働き過ぎ」と言われるわけだよなぁ。
本日の写真は同じくイクスピアリのミュージアムレーンで撮影したもの。
米国版「ゆーきやこんこ♪」な歌に合わせ雪の結晶。
夜にはこんな風に輝いた。