友人から勧められた1軒のお店
麻布十番商店街を六本木方面へテクテクと歩き、その商店街が終わりに近づいたところから、ちょっと脇に入った隠れ家的なお店であります
大きな看板を出すこともせず、地道にお客さまを増やし続けることで繁盛を続ける和会席のお店だというのです
まさに暗闇坂 そう思えるようなそれほど人通りが多くない場所にあるビルの地下1階
友人からのお勧めがなければ来ることが無かったであろう場所 そしてこの階段を下ることも無かっただろうお店であります
が、この近くにはいくつかの和食店がありまして、「知る人ぞ知る」隠れ家的お店が存在するエリアなのかもしれませんね
階段を降りますと一枚板に彫刻をした分厚い扉がありまして、その扉を開けますと、これまた分厚い一枚板を使ったカウンター席に迎えられまして…
バブルの末期にオープンしたというだけあってその名残を感じさせる雰囲気や、落ち着く照度がオシャレな店内は大人のレストランと言う言葉がピッタリなところでありまして、カウンターの向こう側には優しそうな笑顔がステキな料理長さんの姿
なんとそんな料理長さんの正面のお席をいただくことができ、少々緊張気味なワタシであります
先付として供されましたのが、ホタルイカや蒸しアワビに甘海老の塩辛
見た目にも美しくジュレがかけられているのですが、そのホタルイカの美味しさに胃袋をつかまれたって感じであります
この先制攻撃に完全にノックアウトされたワタシは、もうこのお店のファンになること間違いなしでありますね
粉からすみと柚子が振られた白魚の蒸し寿司は1貫だけで終わるのがもったいないほどのモノでありますが、もう少し食べたいってくらいがちょど良いのかもしれませんね
そして桜えびのさつま揚げがまた美味しくて…
柚子胡椒がちょこっと乗せられていることによる風味が活きてますね
更にさらに、椀物で鮎の陰に隠れた筍献珍なるもの
お豆腐の中に筍が仕込まれている手の込みようで、その筍の食感が素晴らしいモノでしたね
焼物として供された桜鱒の照焼なのでありますが、これまでの会席料理らしいおとなしい味付けとは異なり、しっかりと印象を残す味付けとなっていまして、この味のコントラストが素晴らしいモノ
春キャベツのソースの優しい味わいとともにいただきました
〆のご飯は浅利とうるいのご飯
うるいとは山菜の一種であるらしいのですが、その葉の緑がとっても美味しそうでもあり、美しいですね
浅利の出汁が染みたごはんもお替りしたいくらいでありました
デザートは自家製のモノでありまして、それに添えられている小豆とチョコレートを合わせたというソース(?)がとっても美味でありまして…
良くぞこんな組み合わせを思いついたものだと感心いたします
料理の味もさることながら、料理長の補佐を務める女の子がとっても無邪気な感じでありまして…
屈託のない笑顔で話しかけられますと、必ずや再訪しますとお約束したくなるほど
ステキな空間と美味しい料理
そこに料理長の話術と、この娘の笑顔が加われば鬼に金棒ってところでしょうかね
オジサンはイチコロでありました
必ずや近いうちにお忍びで使わせていただくことにいたしましょう
かなりお気に入りの1軒であります
【暗闇坂 宮下】
東京都港区元麻布3-12-1 アーベストコートB1F
03-3402-2655