オスマン帝国 イスラム世界の「柔らかい専制」 (講談社現代新書) | |
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講談社 |
お風呂に使って本を読むことも多く、ダメにしてしまう本も結構あるのですが、
この本は、数年前に買ってから何度か読んだ本。
イスラム教が排他的ではない、ということがよくわかる本です。
その国家や民族、文化に力があるときには、異質なものを取り入れてどんどん活用するエネルギーがあります。
そのうち、そのエネルギーが枯渇してくると、内向きになり、純化を図ろうとし始め、混乱が生じるのが、オスマン帝国の盛衰の解説から汲むことができます。
今、ISが非常に排他的であるのは、異質なものが取り入れられないほどのエネルギーしかない、ということなのだと思います。
日本社会も、異質なものを排除しようという動きが強まるのは、経済状態が芳しくないとき。
バブル経済のときなんて、外国人労働者がどんどん増えても、ほとんど気にしなかったような気がします。
日本人自体も、外へ出ていく、という気風がありました。
排他的な発言や政策を見ると、この本を思い出します。
まあ、そんなこんなで、また読もうと思ったんですけどね。
歴史を勉強していて面白いのは、同じような現象の繰り返しから、今後のことが考えられること。
日本社会はどうなっていくのか、非常に心配です。