AWA@TELL まいにち

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共通教育科目 多文化リテラシー 「日本とアジア」コメントシートに対して

2017年02月03日 | 日本語教育
共通教育科目多文化リテラシーで担当している「日本とアジア」の授業が終わり、最終回に書いてもらった授業に対するコメントや、マインドマップの手法で授業を振り返ってもらったものを基に、お返事や感想を書いていこうと思います。



コメントに対して

「メールで送ったレポートが届いているかどうか不安なので、返事がほしいです」

⇒ 数年前までは返事をしていたのですが、ばらばらと届くメールに随時対応する時間が取れず、締め切り時に確認するだけになったため、添付ファイルが抜けている方にお返事する程度になりました。何か方法を考えたいと思います。


「戦前の映画を見たり、教科書を見たり、ドキュメンタリーを見たりするのはよかったが、そのあとみんなでディスカッションなどしないと深まらないと思います」

⇒ 全体的に、担当している私が伝えたいことが多すぎて、結果として、皆さんと意見を共有する時間が無くなっています。振り返りの時間を中心に意見の共有ができる時間を作りたいと思います。


「戦前の映画をYoutubeで確認したところ、字幕が授業のものよりも見やすかったので、こちらを利用してはどうでしょうか」

⇒ 今のところ考えていません。


「映画を見っぱなしになっているようなことがあり、よくわからなかったです」

⇒ 実際の授業で、場面を切り取りながら解説することも考えましたが、結果として、私の選んだシーンを取り扱う、という形になり、全体像が見えなくなるという判断から、映画は基本的に止めずに全体を見て、数本見たところでの振り返りという形を取りました。配布したテキストに簡単な解説がありますので、それを基に、自分で調べてみてもよかったかと思います。


「北朝鮮の映画を見たので、安重根と伊藤博文に対する考え方に多様なものがあることがわかりました」

⇒ ある出来事に対する光の当て方で、何に注目するかはそれぞれの人や、民族や、国家によって変わることが分かってもらえればうれしいです。


「留学生と話をする機会がこれまでなかったのでとても印象に残りました」

⇒ これをきっかけに、留学生とどんどんかかわってください。


「留学生と話をする授業では、何を話すのかが任されていたので、何をしていいかよくわかりませんでした。方向性を示してもらえればよかったと思います」

⇒ 留学生が日本をどう感じているか、また、日本について知りたいことは何か、みなさんが留学生に聞きたいことは何か、授業ではありますが、テーマを特に決めないのは、用意した場での交流を「日常の交流」へつなげてほしかったからです。テーマを決めてしゃべる、ということは、「非日常」で、やはり授業そのものになります。私があの時間を作るのは、留学生としゃべらなければいけないという状況の下で、どんな話題を選び、どう話すかを自問してもらう時間にもしてほしかったからです。そのうえで、特別なことでなければ留学生と話せない、ということではない、と気づいてもらえればうれしいです。


「金曜日の3時間目は眠くなります。映画のときはなおさらです」

⇒ 時間割の編成上、移動が難しいようです。来年度は、眠くならないような方策がないか、考えてみます。体操でもしましょうか。



留学生とおしゃべりをした2回が印象に残っているという感想が多数でした。これをきっかけに、いっぱいかかわってくれるとうれしいです



授業の振り返り

ふふ。そうか、ツイッターにこの授業の愚痴があふれているのか。

それは見ておかなくては。


それはそれとして、やはり、見方には軽重があり、参考になりました。

異文化トレーニングのまねごとをした情報伝達のゲームは、意外と多くの学生さんが話題にしていて、何人かの人は、「人によって情報の捉え方、伝え方が大きく異なっていた」という気づきがありました。

この授業で伝えたかった、「批判的に情報に接する」「国民性よりも、個性を見ていく」「エポケー」といったこと、これについては、「批判的に情報に接する」ということについて触れている学生さんが多かったようです。



授業も、教員が伝えたいことを伝わりやすくコントロールして作っているものですから、気になったら自分で調べられるといいですね。


これを基に、来年度の授業について考えていきます。

コメント、ありがとう。


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