AWA@TELL まいにち

南山大学で、日本語教育に携わる人材の養成を行っています。ホームページも是非ご覧ください。

ダッカの事件を見て

2016年07月03日 | どーでもいいこと
バングラデシュ出身の留学生も日本語教育を通じて何人も知っています。

今回の事件を知って、帰国していった彼や彼女たちが巻き込まれていないか、とても気になりました。


ISISの絡んだテロや事件は、もはや特定の宗教が原因ではない、ということは分かっている問題だと思うのですが、

今日の新聞でも、相変わらず【イスラム国】という言葉が使われていて、マスコミがそういう誤解を与えそうな言葉を使い続けていることに非常に違和感を感じます。

注釈をつければいいという問題ではないと思うんですよ。注釈を読む、というのは、やはり限られた人になると思うからです。


【イスラム国】と書かなければ、パッと見た読者の理解がよくない、ということかもしれませんが、それは、最初にその言葉を使うことにしたマスコミ自身の責任だと思います。


最近、マスコミを見ていて否定的な気持ちになるのは、訂正や修正を、当初の報道と同じくらいインパクトを持たせて強調していないことが多いということです。

取材する能力が落ちてきているというのは、ネット上からの記事の安易な利用を見てもわかりますが、それを伝えようとする姿勢にも疑問を持つことも多くなりました。


一日も早く、イスラム教と関連しているかのように思わせる用語の修正をするとともに、

日本はこのテロ事件をイスラム教とは全く関連付けて考えていない、ということを外部に向けて発信するべきだと思います。



イスラム教を信じている方が全員いい人だとは言いません。クリスチャンにも、仏教徒にも、ほかの宗教にも、同じくらい、いい人と悪い人はいると思います。


以前、ほかの方が書かれていましたが、ここのところ、テロが起こると、その首謀者の宗教がイスラム教だったらそれが強調される報道になりますよね。

アメリカの銃乱射事件で、キリスト教徒によるテロ、日本での通り魔事件が仏教徒や神道信者による犯罪だと報道されることはないのに。


イスラム教の方々がその本人の責任にならない問題で肩身の狭い思いをされることだけは避けるべきです。

私は、自分が教えてきたり知り合ったりしたムスリムの方々を思うたびに、そんなことを考えます。


バングラデシュから来た留学生さんも、シリアから来た留学生さんも、エジプト、イエメンから来た留学生さん、スーダンからの留学生さん、インドネシア、フィリピン、マレーシア、タイ、中国のウィグル、みんなまじめで、ユーモアもあって、楽しい方々でした。


「イスラム教徒が・・」という報道を見るたび、そして聞くたび、私が接してきたムスリムの方を思い出し、なんで宗教でひとくくりにするのか、といつも思います。


今、日本社会は、主に経済的な理由かもしれませんが、ハラルフードの認証を受ける食品が増えてきて、ムスリムの方々の観光受け入れに力を入れています。

この流れが、こういう宗教とは無縁のテロでしぼんでしまわないように祈っています。


もうすぐラマダンも明けますよね。


いいラマダンに終わるように祈っています。


また、被害者の方々のご冥福を心よりお祈りします。

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