AWA@TELL まいにち

南山大学で、日本語教育に携わる人材の養成を行っています。ホームページも是非ご覧ください。

英語で授業??

2016年07月09日 | どーでもいいこと
大学の学部の授業や大学院の授業を英語ですることについて、対応できるかどうかというアンケート調査がありました。

受講している学生の大多数が英語の母語話者である、という状況であれば、一万歩くらい譲って検討しますが、

日本語を母語としている学生が大多数で、留学生ですら英語母語話者は数名という状況の本学で英語で授業をする意味がどれほどあるのか。

愛教大の留学生の多くは中国からの留学生ですが、漢民族だけでなく、モンゴル族をはじめとした少数民族出身者も在籍している状況です。

言い換えれば、英語教育を受けたことがない学生だっているわけですよ。


それ、考えたのかな。


高等教育が日本語だけで行えるという明治以降の先人の努力を、なぜ、「国際化」という定義すら明確でない言葉を振り上げて台無しにしなければならないのか。

「国際化=英語」という安直な考え方そのものが大嫌い。


どうして隣国である中国、韓国、ロシアなどの諸言語をもっと積極的に教えないのか。

もっといえば、点字や手話といった、日本国民同士のコミュニケーションに必要な技術をどうして教えていないのか。


授業の英語化って、英語の能力を伸ばす前に、学生の学力をどん底まで叩き込むことにならないだろうか?

加えて、留学生の数は、減るんじゃないか?


だって、英語で授業を受けるのであれば、英語のニュアンスの違いを踏まえて、易しい英語でいいかえてしゃべることができる母語話者の教える国へ留学すればいいじゃないですか。

なんで、わざわざ日本まで来て、英語で授業を受けるのか。


もう、意味がわからない。


高等教育を母語でできなくなったら、取り戻すのにまた数十年かかってしまう。

それでいいのかなあ。



いや、日本語を教える仕事をしているからじゃなくて、どうして日本人は自分たちの「ことば」を大切にしないんだろう。


もう少し待てば、機械翻訳がもっと発達して、同時通訳みたいなことができるようになるんじゃないのかな。


それでいいじゃないか、無駄な時間が多すぎる。


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