AWA@TELL まいにち

南山大学で、日本語教育に携わる人材の養成を行っています。ホームページも是非ご覧ください。

想像力をふくらませて

2006年01月27日 | 日本語教育
 今日の授業では、授受表現を中心にですが、今まで習ったすべての文型を駆使してある場面を乗り切るという練習をしてみました。
 まあ、いろいろとやり方はあると思うのですが、学生一人一人に役割を割り当てます。今日は、「お父さん」「お母さん」「妹」「自分の子ども」「お巡りさん」「ウェイトレス」「店の人」「管理人」「大学の事務の人(クラスでは実名です)」「知らない人」でした。誰がどの役がいいとか関係なく、無作為に割り当てます。
 その後、教師が設定した場面を学生に伝え、誰か一人を指名します。指名された一人は、役割から離れて、本来の自分に戻って、「誰に話せばいいか」と言うところから始まり、どう交渉するか、何を言うか、ということを考えて会話を作っていきます。話しかけられた人は、その役になりきって話をするわけです。

 さて、シチュエーション その1
「みんなで旅行へ行きます。でも寝坊して、駅に行ったら、もう誰もいません。先生に電話をしたら、早く来てくださいと言われました。場所の名前だけわかります。どうしますか。」

 当たった学生は、「知らない人」を捕まえて、道を聞きます。道の尋ね方がちと乱暴な物言いです。「~ていただけませんか」「~てくださいませんか」を勉強したのに。「知らない人」役の学生は、地図を書いて教えようと頑張っていますが、途中で、「お金がありますか。タクシーで行けばいいです」と逃げました。

 シチュエーション その2
「恋人とデートをしています。まず、食事です。いいレストランで、いい服を着て食べています。でも、恋人の顔を見ていたので、服を汚してしまいました。今日はまだこれからいろいろなところへ行かなくてはなりません。」

 当たった学生をみんながじっと見つめます。「ウェイトレス」役の学生が今か今かと待っているわけです。ところが、彼はレストランを出て行くというこうどうにでました!
 隣にあるという設定らしいのですが、服のお店に行って新しい服を買うそうです。お金がありますねえ。 サイズが合います、とかどうですか、とか、「着てみてもいいですか」とか、使おうよ

 シチュエーション その3
 「家族と一緒に本屋に来ています。家族の中の一人が誕生日です。本をプレゼントしたいのですが、どれがいいかわかりません」

 父親役の学生は、早く切り上げたいという自己設定らしく、「はやく、はやく」「まだ?」を連呼します。当たった学生は妹の誕生日という設定にして、父親と母親に妹の好きなものを聞きますが、ふたりとも、本人に聞けと突き放します。
 妹役の学生は漫画がいいといってねだります。
 さて、お金を払いに行くのですが、「ちょっと待ってて。払うから。」。ふむ。
 「払ってくるから」だったら、もっといいのにね。

 シチュエーション その4
「国へ帰るのに、書類が必要です。でも、書き方がよくわかりません」

 いつもやっていることなので、この会話はスムースでした。笑ってしまったのは、事務の人を演じる学生が、似てないんですよ、その人に。僕がからかって、「そんな感じですか」と尋ねると、違うと必死になって否定していました。ふふ。

 習ったことが総合的にどのくらい使えるのか、見ていると楽しいですね。
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