AWA@TELL まいにち

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過疎地医療

2006年09月07日 | どーでもいいこと
医師の研修制度が変わったため、大学病院から派遣されていた医師でかろうじて回っていた過疎地の病院が、今、大学病院からの派遣がなくなり、運営の危機にあるという報道を見ました。

医師を志す若者へのインタビューを聞くと、地域医療に従事することへの躊躇にいくつかのパターンがありました。
一つは、自分は最先端医療に携わりたい、そのためには都会の大病院で働く必要がある、というものでした。
もう一つは、地域医療では自分の専門だけでなく、すべての科についての診療を求められることがあり、自分の能力では無理だというものです。
そして、最後の一つは、地域医療には医師がもっと必要なのに医師が少なく、多忙になって自分の時間がなくなるからというものでした。

過疎地の過疎が進むのは、そこでの生活が不便だから、娯楽が無いからというのがこれまで考えられていた理由ですが、無医村が増加して適切な医療が受けられないとなると、自分の体を守るために故郷を離れるという人が増えていくと思います。

留学生の研修旅行のときも、一応、病院なんかもチェックしていくのですが、最寄の病院まで車で20分とかあると、気が遠くなります。車で移動するわけじゃないでしょう?タクシーを呼んで、来てもらって、それから病院となると、大変なことになるわけですよ。

なんというかな、面積とか人口とか、何かを基準に必要最低限のもの、教育、医療、治安、防災、食料、郵便、銀行、各種メンテナンス、をセットにしたものを政府や自治体の責任でどんな地域にでもおいていくということはできませんかね。

小さな政府を目指しているようですから、政府が音頭を取ってというのは権限の拡大になるかもしれませんが。

若手の医師志望の学生が、報道の中で、命に関係することの少ない科、定時出勤退勤ができる科、医療ミスが起こる可能性の少ない科、を希望していますというのを聞いたときは、↑の答えとは違って、腹が立ってきたものです。

なんかうだうだと思いついたことを書き連ねていますが、人が住むところには医者がいないことにはどうしようもないのですよ。

少子化対策ってのも、安心して生めるところの確保が最低限の政治だと思うのですが、どうでしょうか。

自治医科大学を卒業した方は、地域医療への従事が義務付けられていますが、自治医科大学だけじゃなくて、育英会の奨学金や、医学部・歯学部の学生専門の奨学金制度を設けて、地域医療10年従事で再教育プログラムの受講資格と、希望する病院への勤務権利などを付与するとかで何とか過疎地医療が回りませんかね。

田舎暮らしにちょっぴりあこがれている(のですが、アウトドアとかからっきしだめ)自分としては、医療というのは非常に気になるところです。

自分の周りで、徳島ということじゃないのですが、都会に住んでいれば助かったのに、もっといい対処があったのに、という人を知っているので、急に心配になってきたのです。

一方で、都会の医師過密も問題のようです。
過密地域では、土日診療とか、夜間診療のサービスとか、時間外診療の随時受け入れを開始したところもあるそうで、今度は患者の争奪戦です。利用者側としてはうれしいのですが、最初に書いたような定時出勤、退勤とか、自分の時間とかいうのが、都会だからといって得られるものではないということが分かります。

昔の酒屋や薬局のような開設する際の距離制限というのも、一つの手かもしれませんけどね、過疎地医療、解決することを祈っています。
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