日本語の授受表現は、厄介なポイントの一つです。
「あげる」「もらう」は、そんなに混乱しませんよね。実際に何かを実物教材を持ってきて、やり取りをしながらやれば、大丈夫。
ここに「くれる」が入ると、厄介なことになりますな。
混乱、というよりも、なぜこの表現が必要なのか、ということで学生が困るわけです。同じ場面で使える言葉があるのにって。
でも「くれる」はちと違いますな。
○ お母さんにおやつをもらった。
○ お母さんがおやつをくれた。
あんまり違いが出てきませんよね。授業中に提示するのには不向きな例文だと思います。
○ お店の人におまけにケーキをもらった。
○ お店の人がおまけにケーキをひとつくれた。
どうかな。少しは違いが出てきましたかね。
○ 大きな荷物を抱えていたので、ドアを開けてもらった。
○ 大きな荷物を抱えていたので、ドアを開けてくれた。
「くれた」のほうに違和感を感じる人もいるんじゃないでしょうか。非文にする人がいるかもしれません。違和感を感じる人は、もう「同じ」とは言えませんね。
○ 病気で寝ていました。友達にご飯を作ってもらいました。
○ 病気で寝ていました。友達がご飯を作ってくれました。
だいぶ違いが出てきましたよね。
「もらう」は、自分の要請がある場合、「くれる」は、自分の要請がない場合、という意味もあります。
「自分の要請の有無」というと、ちょっと言葉が足りませんな。
○ 書類を片づけてもらった。
○ 書類を片づけてくれた。
この例文は、どちらも自分の要請があるかないかにかかわらず、結果に対しては「感謝」の意味が含まれますよね。お願いして、片付けが終わって、「片づけてもらった、ありがとう」という場合と、お願いしなかったのに片付けが終わって、「片づけてくれてありがとう」って。
じゃ、その結果、大切な書類がなくなったらどうしますか?前者はあきらめるでしょうねえ。じゃあ、後者の場合はどういうでしょうね。
○ 書類を片づけられた。
そうそう、迷惑の受け身になりますな。
先日、妻とのやり取りで、こんなことに思い至りました。
面白いですねえ、言葉は。
「あげる」「もらう」は、そんなに混乱しませんよね。実際に何かを実物教材を持ってきて、やり取りをしながらやれば、大丈夫。
ここに「くれる」が入ると、厄介なことになりますな。
混乱、というよりも、なぜこの表現が必要なのか、ということで学生が困るわけです。同じ場面で使える言葉があるのにって。
でも「くれる」はちと違いますな。
○ お母さんにおやつをもらった。
○ お母さんがおやつをくれた。
あんまり違いが出てきませんよね。授業中に提示するのには不向きな例文だと思います。
○ お店の人におまけにケーキをもらった。
○ お店の人がおまけにケーキをひとつくれた。
どうかな。少しは違いが出てきましたかね。
○ 大きな荷物を抱えていたので、ドアを開けてもらった。
○ 大きな荷物を抱えていたので、ドアを開けてくれた。
「くれた」のほうに違和感を感じる人もいるんじゃないでしょうか。非文にする人がいるかもしれません。違和感を感じる人は、もう「同じ」とは言えませんね。
○ 病気で寝ていました。友達にご飯を作ってもらいました。
○ 病気で寝ていました。友達がご飯を作ってくれました。
だいぶ違いが出てきましたよね。
「もらう」は、自分の要請がある場合、「くれる」は、自分の要請がない場合、という意味もあります。
「自分の要請の有無」というと、ちょっと言葉が足りませんな。
○ 書類を片づけてもらった。
○ 書類を片づけてくれた。
この例文は、どちらも自分の要請があるかないかにかかわらず、結果に対しては「感謝」の意味が含まれますよね。お願いして、片付けが終わって、「片づけてもらった、ありがとう」という場合と、お願いしなかったのに片付けが終わって、「片づけてくれてありがとう」って。
じゃ、その結果、大切な書類がなくなったらどうしますか?前者はあきらめるでしょうねえ。じゃあ、後者の場合はどういうでしょうね。
○ 書類を片づけられた。
そうそう、迷惑の受け身になりますな。
先日、妻とのやり取りで、こんなことに思い至りました。
面白いですねえ、言葉は。