AWA@TELL まいにち

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自分がマイノリティになること、自分が基準ではないことを体験すること

2016年09月15日 | 日本語教育
9月も半ばになり、留学していた学生さんたちの帰国も始まりました。

本学から帰国する学生さんもいれば、海外から日本へ戻る学生さんたちもいます。

今週頭まで引率していた韓国研修に参加した学生さんたちのように、様々な形で海外へ行ってきた学生さんたちもいます。


大学で教え始めて痛感するのは、学生さんたちの視野の狭さです。

これは、はるどんやぷくの視野の狭さに通じるものがあり、結局、広く世界を知らないだけのことです。

小学生より中学生、中学生より高校生、高校生より大学生のほうが、自分を取り巻く環境に対する視野が広がっています。

でも、愛教大生の場合、下手をすると、学校以外を知らないで教員として働き始めるわけで、そうすると、価値観も先入観といったものも、固定しがちです。

そんな先生に教えてもらう子供たちは、やはり、限られた情報しか触れることができないわけで、異文化に対する理解や感じ方が偏ってしまうように思います。


共通教育の授業や、先に挙げた韓国研修の場では、私は何度も、自分を基準にすることの恐ろしさを話しているつもりです。

様々な価値観を持つ人とのかかわりは、視野を広げ、偏見や先入観を駆逐していきます。


ですから、学生さんたちには、できるだけ多くの経験をしてほしいと考えています。教壇に立つ前に。


はるどんやぷくが、将来何になりたいか、という話をしたときに口にする職業は、まだまだ、親の影響下にあるように思います。

この夏休み、はるどんには、高校生向けの心理学の連続講座を勧めてみたり、ぷくには中学校で準備してくださった講習会にできるだけたくさん参加させて、算額なんかを見てくる機会をいただきました。

名古屋で開催された英国科学実験講座 クリスマスレクチャー2016も、参加させました。

本人の知っている世界はとても限定的で、それは、僕自身もそうなんだけれど、せめて僕以上の視野を持って仕事を探してほしいと思っています。


そんなこんなで、学生さんの海外研修。

「行け」と口にするだけなら何の苦労もいらないわけで、学生さん自身に本当に海外での経験を積ませたければ、海外渡航の経費も考えなければなりません。




留学生や、日本語教室の学習者さんと接しつつ、日本や自分が基準であることを無意識に押し付けていることに気づくことも多いです。

ここが日本である以上、日本の基準を適用すればいい、と個人的には思うのですが、「無意識に」というところは大きな問題だと思います。

相手の持つ基準を知ったうえで説明することが重要です。


学校の中の文化も同じ。

そして、その基準が作られた時の理由をよく考え、その理由が消えているのであれば、基準は見直すべきだと思います。

自分が基準だと思わないこと。

それを実感させてくれるのは、自分がマイノリティになる経験だと思います。


学生のうちに、自分がマイノリティであることを体験するべきです。

そして、「男だから」「日本人だから」「太っているから」と様々な理由で排除されることを経験してみたら、きっと翻って自分の行動を見直すきっかけになるはずです。

いい夏休みを過ごせましたか?


10月に、人間的に幅の広がった学生さんに会えることをとても楽しみにしています。

こちらも、授業準備、頑張りますね。
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