なんとも素敵なお名前です ～ 旧福光町 『春乃色食堂』

　福光は金沢の中心部からでも４０分、金沢大学からなら２０分で行けます。その福光の宇佐神社の向かいに「春乃色食堂」があります。なんともファンタジーな名前じゃないですかあ！！。外観は冒頭写真の通り。店内はこれまた昭和遺産に登録決定！！の懐かしい食堂風景です。

　テレビのよく見えるテーブル席に座り「おでんの盛り合わせみたいのできますか」と女将さんに聞くと、「自分の好きなのを選んでください」とごもっともなお返事。カウンター奥のおでん鍋を覗き込んで、豆腐、こんにゃく、大根、フキを注文しました。それにしてもだし汁が黒々してます。そのためおでんも黒く「日焼け」してます(笑）

　テーブルに女将さんがおでんを持ってきてくださいました。「ビールもお願いします」と言うと「車じゃないですよね！！」と問われます。この質問をちゃんとする店はいい店です！！。「ええ、電車できました」と僕。

　豆腐をガブリ！！。「うーーーーん　甘い！！」。かなり砂糖を使ったダシですねえ。でもその甘辛い味がカラシと相まって、何ともいい塩梅です。フキもいい味ですねえ。

　おでんのおいしさや店内のレトロな雰囲気はもちろんですが、何よりのこの店の良さは、女将さんのお母さんになるんでしょうか？、おばあちゃんが現役で店に出ていることですね。カウンターの椅子に座っていることが多いですが、客に「いらっしゃい」と丁寧に、チャーミングな声でごあいさつされます。これだけでも行く価値あります。

　この食堂、もともとは地元の皆さんのための食堂だったんでしょうが、近年ネットで拡散して以来、全国区の人気店に。おかげで店の左隣に広い専用駐車場も整備されました。

　半分ほどビールを空けたとき、ツアコンみたいな女性が入ってきて、「７人お願いします」と言って人数分の席を確保。店の人が「どちらから？」と尋ねると「みんな東京からです。アニメ関係の」とのお返事。おでんをたいらげたし、そろそろ退出しようかと思ったときに、その団体さんが続々と入店。たしかに、いかにもその業界人らしいおしゃれな風貌の皆様です。毎日こんな風景が繰り広げられてるんだろうね。

　いい店です。全国区になろうとも、いつまでもこのままでいてください。