この三浦綾子の『銃口(上・下)』は1994年に出版されました。小生も発刊直後に買って読みました。読みましたが、何ぶん30年前のことで、「北海道綴方教育連盟事件」を題材にした骨太な小説という以外、そのストーリーの委細はすっかり忘れていました。いや、それを過ぎ去りし歳月のせいにしてはいかんですね。小生の「読み」が浅かっただけかもしれません。
さてその『 . . . 本文を読む
この本は、2015年の出版です。冒頭の10ページは、アイドル張りのカラーグラビアですが、たぶん本人が望んだわけではなく、出版社や編集者の意向なんでしょうね(と、思いたい)。
まあ、慶応の理工卒で、NHKの「ニュース7」で気象情報キャスターをしてたわけですから、さぞかしきらびやかな人生‥と思われがちですが、本文を読めば、きわめて実直に生きてきたことが綴られていま . . . 本文を読む
その横浜に向かう電車の中で、堀辰雄の『大和路・信濃路』(新潮文庫)を読みました。今更と言うか、今時と言うか、堀辰雄を読むなんてこっ恥ずかしいですが、でもまあ、いいものはいいです!よね。
もとはと言えば、今春、富山市の高志の国文学館でしていた「堀辰雄展」を見たのがきっかけでした(これです)。彼の本は全く持っていなかったので、BOOK-OFFで330円で買い求めた . . . 本文を読む
小生が初めて金沢に来た70年代後半には、金沢市内に数件の「昭和的古本屋」が健在でした。そのどの店の文庫本の書棚にも、高野悦子の『二十歳の原点』があったように思います。
高野悦子といっても岩波ホールの高野さんとは別人です。この本の高野悦子さんは 立命館の学生でしたが1969年に自死してしまいます。彼女の日記をまとめたのがこの本です。
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母親の見舞のため帰省する際に、新幹線の中で読みました。副題に「石牟礼道子自伝」とありますが、生まれて水俣病に出会うまでの「半生記」ですね。
水俣病と出会ってからの後半の彼女の人生は、「自伝」なんか書かなくとも、彼女の作品自体が、「ザ・自伝」ですよね。作品をして人生を語らしめよです。
昭和初年の当時の天草・八代地域の、山の生き物や海の生き物と . . . 本文を読む
著者の藤井誠一郎さんは、「地方自治」などを研究する大学の准教授です。その気鋭の研究者が、新宿区のごみ収集業務を9ケ月間に渡り実体験した記録です。
今、「公共トイレの清掃作業員」を主人公にした映画が、ロングランを続けてますが、このごみ収集と言う仕事も、誰もが必要不可欠な仕事と頭ではわかってるけど、新卒の学生に人気の職業では、ないよね。(公務員の入 . . . 本文を読む
BOOK-OFFで110円で買いました。村木さんの本は11年前に『あきらめない』を読み、このブロクにも記事をアップしました(これです)。村木厚子ってどんな人?と思う方は、ググるとすぐに出てきます。
今回読んだ『公務員という仕事』は、2020年刊行で、内容は公務員志望の学生や若手公務員にむけた、村木さんの体験に基づく、前向きな希望あふれるメッセー . . . 本文を読む
三冊目は、本と言うか漫画ですが、『末期がんでも元気です』。この本はタイトル通りに、プロの漫画家が、38歳で末期の大腸がんとなった自身の経験を漫画にしたものです。小生、たまたまYOU TUBEで見て、その「おもしろさ」と「リアル」さに引き込まれ、直ちに書籍を取り寄せた次第。
この作品の秀逸な点は
①内容はシリアスなんですが、漫画として面白い。たぶん作者自身が楽し . . . 本文を読む
GW中に読んだ本2冊目は、藤原辰史の『歴史の屑拾い』です。著者の藤原さんは、京大人文科学研究所の先生で1976年生まれ(まだ40代、若い)。専門は「食と農の現代史」とのこと。
この本は、某雑誌に2年に渡って連載したエッセイをまとめたものですが、当然ながら氏の学問の根っこにあるものを、エッセイの形で著したものです。なによりこの書名が、この本の内容を物語っています . . . 本文を読む
早いものでもう5月です。月日が過ぎるのを早く感じるじるのは、5歳児のチコちゃんに言わせると「歳を取ると、日々感動がなくなるから」だそうです。まあ、あながち突飛な指摘ではないなと思います。
それでも、この年齢になっても、本を読むと新鮮が感動に出会うことが少なくありません。今年のGWで読んだ本①は、『わかりあえないことから』平田オリザ著です。BOO . . . 本文を読む
確か岩波の「世界」だったか「図書」だったかの、誰かの文章で紹介されていて、興味を持って早速AMAZONで取り寄せた次第。小生の病院の定期受診の際の待ち時間で一気に読みました。
結婚、妊娠、出産、育児などを巡って、ご本人が体験した様々な理不尽なジェンダーギャップを、ソフトな語り口で、しかし本質をズバリつく読みやすいエッセイです。
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多読家としてもしられる松岡正剛氏に「本を読むとは?、どのように読むか?」について、インタヴュー形式でまとめた本です。 先日、BOOK-OFFで110円で買って来ました。小生、松岡正剛の本は、60余年生きてきて初めて読みましたです。
さすがに松岡セイゴオともなると、なるほどそいう読み方もあるのかという事がちりばめられています。「読み方」と言ってもテク . . . 本文を読む
研修会に向かう電車の中で読んだ本です。小生、いわゆる「ビジネス本」は読みません。だって大抵は「昔の武勇伝」だったり、単なる「ハウツー本」だったりしませんか。でも20年くらい前、丹羽宇一郎の『人は仕事で磨かれる』を読んだことがあります。
なんで読んだかと言うと、丹羽氏は大手商社の伊藤忠の社長ですが、名古屋大学の学生時代は、全学連委員長をしていたという経歴だからで . . . 本文を読む
先日のこのブログで加島祥造の名前を出したけど(これです)、実は小生、その著作を1冊も読んでいないわけです。かの『求めない』も、読んだことないです。
さすがにそれでは、ツラの皮が厚すぎると反省、表紙の帯の横顔に魅かれて、AMAZONで取り寄せた次第。早速、某旧国立病院の受診時に、待ち時間を使って読みました。2つの検査と診察の計3つの待ち時間、〆て . . . 本文を読む
坂本義和の岩波新書『人間と国家』を、先日の(上)に続き、(下)を読みました。第10章、第11章が「東大紛争」なのですが、筆者は、かの加藤一郎らとともに教員として紛争打開に向けて粉骨砕身した方であり、リアルな内容に引き込まれました。と同時に、伝聞情報や推測が、非常に多かったですねえ。岩波新書で、そんなのでいいのかな~と率直に思いました。
思いましたが、「あとがき . . . 本文を読む