goo

『最強の地域医療』(村上智彦 著)を 再読する。


 この本、昨年読みました。(これです)。今夏、僕自身が、突然の入院体験をしたこともあり、再読した次第。

 著者の村上医師(昨年5月に病没)は、もはや説明不要の超有名人です。この村上医師、自身が地域医療にながらく携わっていた経験から、大学病院などの大病院を批判的に見ていたけど、いざ自分が患者として入院してみると、まったくそんなことはなかったという話ですね。

 で、僕自身の入院体験から いたく感じ入ったくだりを抜き出してみました。


 P24「ベットに横になって歩かないでいると、1週間で筋力は20%落ち、若い人でも歩けなくなる」
⇒わかる!!。僕の場合10日間の入院でしたが、唯一の運動はトイレに行くくらい。それでも個室の時は病室内を、体中に管を(おちんちんにも!)付けられながらも、あれこれモゾモゾと動くことは可能でしたが、4人部屋になって、カーテンに囲まれた狭い空間のみの生活になると、一日中ベットに横になってテレビ見るしかすることがないです。なので、自分で触ってわかるほど足は細くなり、退院後2週間たっても、歩くとフラついていました。

P25「入院は、精神的にも個人を「病人」にしてしまう」
⇒わかるう!!。村上氏の場合、白血病なので、厳しいがん治療の検査と治療の連続だったので、なおさらでしょう。僕の場合「4人部屋は『精神の自由を奪う』ことを実感しました。面会の人が来てくれても、カーテンに囲まれた空間では、面会の人は身の置き場がないですね。ササッと来て、立ったまま話し、ササッと帰るしかないです。患者本人にとっても、検査の時間以外は一日中、ベットの上でTVを見るくらいしかすることないです。本を読もうにも、カーテンに囲まれた仄暗い空間では読めませんでした。(入院中に読んだ3冊は すべて個室の時に読了したものです)。こうやって、「精神の自由」が萎えて行き、自ずと「病人」らしくなってゆくんでしょうね。

P32「(病室では)何より誰かがいるだけで随分違うことを実感。そしてSNSを通じて多くの人と交流できた」
⇒村上医師の場合、病状から無菌室にいなければならなかったので、必然的に個室だったとのこと。確かに個室なら面会に来てくれた人と、存分に話ができます。話すことがなくなっても、そこにあなたがいてくれるだけで心が和むということを、僕も実感しました。4人部屋ではそれは不可能です。またSNSですが、これはひと昔の入院とは全く違う点ですよね。(だって、昔は、料金の高い個室は、電話があるってのがウリでしたからね)。僕はツイッターもFBもしないので、(だって いまだにガラケーだもん)、ただメールをやり取りしただけですが、これがどんなに気を晴らすことができたかか。


まあそんなこんなで、高齢者介護施設は、新築の場合「全室個室」じゃないと認可されませんが、病院も「全室個室が当たり前」に早くなってほしいものです。(あっ 念のためいうと、個室か大部屋かという議論と、差額室料の問題は まったく次元の違う問題です。はい)




 今、気が付いたけど 昨年の記事も 8月8日だったんだね・・・。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 学生さんは夏... 満足感が けた... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。