金沢に暮らし始めて40数年.。この街で「見たものは、見た」。最近は「軒端に冬の山晴れて見ゆ」って心境に。
金沢暮らしの日々 ~努力は時々 報われる~
中川除町界隈~ 正に“行不由徑”な料理 @『雅乃』
この店も、もはや説明不要の超有名店です。場所が繁華街ではない住宅地ということや、流行の所謂イノベーションした古民家というわけでもない、普通の家ということもあり、あまり派手にメディアに登場しているわけではありません。
あっ、この住所は「なかがわじょまち」ではなく「なかかわよけまち」と読みます。犀川大橋と桜橋の間の犀川沿いなのですが、川沿いの通りには面しておらず、10メートルほど住宅地に入るので、車で探してもたぶんわからないと思います。
人気店であるゆえに、なかなか予約が取れず、今回ようやく伺うことができました。予約の電話の際「1万円くらいでお願いできますか」と聞くと「はい。1万円からご用意できます」との明快なお返事でした。1階はカウンター、2階は大小の2つの座敷があるようで、今回は2階をお願いしました。特に席料というか個室料はとっていない模様。
当日は、新竪町のコインパーキングに車を停めて、雨の中歩いて店に向かいました。実は小生、学生の時、この店の近くにある「十三間町オフィス」に出入りしていたので、このあたりの地理に詳しいのです。なので迷うことなく19:15に到着。
ふくよか女将さんが優しくお出迎えくださいました。やや急な階段を上がり右手の座敷に通されました。これ四畳半でしょうか、まるで茶室みたいで、二人連れにはピッタリの空間です。床の間もあり伝統的な和室ですねえ。いや~いいです。
あらかじめ朱塗りの漆器が用意されており、これいわゆる「食前酒」のための盃ですね。供された料理は、いちいち説明はしませんが(というか、僕らは話に夢中で、料理が運ばれてくるたびに女将さんが説明してくれる中身はあまり覚えていないというのが正直なところ・・・無粋な客ですいませんです・・・)。
ただどの料理も、見てくれだけの過剰な演出などはなく、あくまで素材の味を引き出す技で勝負!!って感じでした。まあ人によっては「地味~」って感じる人はいるかもしれません。どの料理も「ああ日本の料理ってこんなにおいしいものだったんだなあ」と心底思わせてくれました。ふと、高校の時、漢文の先生が教えてくれた「行不由徑(ゆくにこみちによらず)」という論語を思い出しました。
あと、日本酒は「花垣」や「獺祭」など、珍しい銘柄の大吟醸などがありました。「自分で飲んでおいしいと思った酒を出している」とのこと。獺祭こそ今ではメジャーになりましたが、花垣なんて福井県人でも知らないかもしれないよね。
女将さんに「どちらからいらしたんですか」と聞かれたので「いえいえ 地元です」とお答えしました。帰り際、大将と女将さんが店の外に出て、僕らが見えなくなるまでお見送りをしてくださいました。
この日は 料理×2、宗玄、花垣、獺祭の各1合 で〆て26676円でした。この料理のクオリティーに納得の価格です。いい店です、また伺いますね。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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宝庫だったかと思いますね。
花垣は大野のお酒ですごく旨いですが、流通量は
少ないですね。でも、東京でもそこそこのお店では
見かけますから、人気なのだと思います。
きじネコさん、いつもコメントありがとうございます。花垣は、実は人気の酒だったんですね。ぼくは今回初めて飲みましたが、たしかに、とってもおいしかったです。また金沢の美味しい店の記事載せますね、お楽しみに。