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故郷の坂の上の青空


 金沢は坂の多い町である。街の真ん中を浅野川と犀川という比較的大きな川が流れ、浅野川の北が鈴見台、犀川の南が寺町台、ふたつの川に挟まれたのが小立野台である。なので勢い坂が多くなる。どの坂にも、金沢の歴史を感じさせる趣のある名がつけられている。

 僕の生まれ育った街も、坂が多かった。というか山が海にせまって、平野が少なく、どうしても山の斜面を切り開いて住宅を造成するしかなかったんだね。

 今は、都市計画の下、山の斜面でも広々としてまちづくりが行われるんだろうが、50~60年前は、ほとんど無秩序だったんだろう。道は狭く、車は当然通行できず、家を建てるときは大工さんが 建材を担いで坂をのぼったんだろう。

 でも、そういう故郷の坂のある光景を、僕は結構気に入っている。大林監督の呉ほどではないけれど、この街の坂の風景もたまに、映画撮影に使われたりしている。

 坂の光景だけでなく、この山の斜面にびっちり、それこそ自分の軒先とお向かいの家の軒先と「こんにちは」しそうなくらいの密集度である家並みも、見ていて飽きない。

↓こんな感じ・・


 確かに、住む人にとっては 不便な生活だろうが、これもまた 僕の心の原風景である

 
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