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『食べごしらえ おままごと』 @ 石牟礼道子


 この本の口絵に 16ページにわたって天草地方の郷土料理のカラー写真があるので、てっきり 功成り名を遂げた大作家が 食通きどりで気軽に書いたエッセイ集とばかり思ってました。

 ところが、中身は たしかに氏が子どもの頃に食べた郷土の食べ物をことに触れはしてるものの、食べ物がメインではなく、貧しくも暖かい当時の農村の普通の人々の暮らしぶり働きぶりを 石牟礼道子一流の筆致で綴った「名随筆集」でした。

 特にP69~の「お米」なんて 泣きました・・。このコメが美味い このブランド米がどうの・・と今、米を作る人も食べる人も喧しいが、ついこの前まで、米を作ることがどんなに難儀なことであったか、切々と語られています。

 それにしても、口絵の豪華絢爛な郷土料理のカラー写真は、きっと出版社が後付けで挿入したものと思っていましたが、あとがきを読むと、石牟礼道子お手製なんですねえ。
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