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うん蓄なし能書きなし小細工なし、直球勝負の蕎麦屋 「竹の庵」

 


 片町のせせらぎ通りにあるこの蕎麦屋が好きである。ここの蕎麦は 余計なものが一切ない。うんちくなし、能書きなし 飾り気なし、小細工なし、ストレート一本勝負。気持がいい。だから客の方も 蕎麦の「うんちく屋」は来ない。「今日もおいしかったあ。ごっそうさん」「ありがとうございました!」これのみで、通じあう。

 普通盛りでも 他店の大盛に匹敵する量がある。蕎麦を食べる満足感がある。そばつゆが蕎麦猪口にも蕎麦徳利にも、なみなみと注がれる。蕎麦を食い終えると、追い打ちをかけるように たっぷりの蕎麦湯がやってくる。5~6杯はいける。冬は心底あったまる。夏は店を出てからますます暑くなるが、こればかりはやめられない。

 この店に15年以上 通っているが、「ざる蕎麦大盛」以外注文したことがない。いや1度だけ、宴会続きで胃が疲れ、「普通盛り」を注文したことがあったかな。すかさず「えっ? 今日はどうかされたんですか?」と 突っ込みを入れられたっけ?

 この蕎麦を食べると、つくづく「蕎麦は打つ人の人柄が反映する」と実感する。「蕎麦通」からは高い評価は受けないだろうが、「蕎麦好き」からは絶大な人気の店だな。

 

 

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