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坂本義和『人間と国家(下)』を読む

 

 坂本義和の岩波新書『人間と国家』を、先日の(上)に続き、(下)を読みました。第10章、第11章が「東大紛争」なのですが、筆者は、かの加藤一郎らとともに教員として紛争打開に向けて粉骨砕身した方であり、リアルな内容に引き込まれました。と同時に、伝聞情報や推測が、非常に多かったですねえ。岩波新書で、そんなのでいいのかな~と率直に思いました。

 

 思いましたが、「あとがき」を読んでわかりました。この上下の新書は、大学の助手に「聞き取り」をしてもらっってその内容を本にしたものなのでした。つまり「口述回顧録」ですね。納得しました。

 

 あと、政治学者って、何で「勝負」してるんでしょうか。現実の政治を行ってるのは政治家だし、研究者の学説とか提言って、率直に言って真面目に受け止める政治家って、いないよねえ。政治学研究者同士の討論というか議論も、「共通の基盤」がないよね。これが法律学者なら、「実定法」と言う、共通の基盤に基づく議論ができるとは思うけどね。

 

 上下巻通して、消化不良が残る本でした。「それは、あんたの読みが浅いからよ」とツッコミが来そうですが・・。

 

 

 

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