過ぎ去ってゆく影を追いかけて私は何時ものことだがこの地を訪ねては
記憶の散歩道を茫々と辿るのを常としている。
茅道をのろのろと歩きながら記憶をたぐり、時の川を遡るが秋の所為なのか
何も告げずに過ぎ去ってゆく影、断りもなく消えて気配に殊更胸がさわぐ。
やれ、季節の移り変わりが速すぎるの、これではまるで置いてきぼりだの
あたらしいものが判らないのとわめき散らしたところで、茅道の角を曲がれば
過ぎて逝った世界の残像のなかに私は生きているのであろう。
自分自身という手に負えない生き物とあやうい影がお互いを窺いながら
あうだ、こうだと喚いたところで、埒もない。
わたしは秋を茫々と考えながら記憶の反証をたぐり、あやうい影を追いかけて
凛と静まり返る茅道をのろのろと歩く。
高貴な気配さえする茅道は果てしなく続いているのではないかと疑いたくなるが
やがて、過ぎ去っていった影のごとくに民家にたどり着いた。
記憶の散歩道を茫々と辿るのを常としている。
茅道をのろのろと歩きながら記憶をたぐり、時の川を遡るが秋の所為なのか
何も告げずに過ぎ去ってゆく影、断りもなく消えて気配に殊更胸がさわぐ。
やれ、季節の移り変わりが速すぎるの、これではまるで置いてきぼりだの
あたらしいものが判らないのとわめき散らしたところで、茅道の角を曲がれば
過ぎて逝った世界の残像のなかに私は生きているのであろう。
自分自身という手に負えない生き物とあやうい影がお互いを窺いながら
あうだ、こうだと喚いたところで、埒もない。
わたしは秋を茫々と考えながら記憶の反証をたぐり、あやうい影を追いかけて
凛と静まり返る茅道をのろのろと歩く。
高貴な気配さえする茅道は果てしなく続いているのではないかと疑いたくなるが
やがて、過ぎ去っていった影のごとくに民家にたどり着いた。